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水泳のアンビリバボーな話

第2話

ディセンディングでガンジガラメ 投稿者:後半勝負

私の高校時代の話です。
高校は共学で大阪でも常に上位の強豪校でした。
当然、練習もとてもハードで特種目と自由形(短・長)・個メの2クラス分けられていたのです。私は自由形の長距離コースで泳いでおり、普段は個メ・短距離の選手とは別練習をこなしていましたが、シーズン真只中の2回練習の午後練の時です。先生が「今日の午後練は全員一緒にやろ!」と言ってきたのです。

長距離の私たちには夢のような話でした。いつも皆がダウンをしてる頃に黙々とメイン練習をこなし、練習が終わるのが一番最後。長距離専門の方には、この気持ちわかって頂けますよね!

そんな気持ちの中、午後の練習が発表された。「メインは100×20本 ディセンディング!!」

最高の気持ちでした。それだけや!それだけやったら終われる!内容にもよりますが、私たち長距離職人とってはもっとも得意と言っていいような練習です。その後に先生の言葉続きました。「全体責任でいくぞ!」

初めは意味が分かりませんでした。ようは、ある程度制限タイムを設定してタイムを一本づつ上げて行くのですが、途中で一人でもタイムが落ちたら全員が一本目からやり直しと言うルールです。しかし、午前中にかなりの距離を泳いだので先生もそんなにハードなタイム設定しませんでした。これなら楽勝!「ラスト一本 ぶっ飛ばすぞ!」と意気込んで一本・二本と着実に皆タイムを上げていました。 そして、5本目くらいの時です。「お~いK君!大丈夫か~!」と先生の声が耳に入ってきました。ふと横見ると、我が水泳部でもっとも練習をサボる天才で有名なK君が大きく肩で息を切らしてます。なんと彼は、残り15本もあるのに予定を大幅に上回るペースでタイムを上げていたのです。普段はディセンディングと言われても一本づつイージーハードをする奴が、よっぽど調子がいいのか、それとも設定を間違えたのか?以上なペースタイムを上げていたのです。しかし、さすがの彼も全体責任のプレッシャーは大きいのか、10本・15本とヨレヨレになりながら頑張っていました。周りの選手はK君を見ていると余裕が出てきたのか「あきらめるな!」・「がんばれ!」・「後5本!」とK君に声をかけ、そしてK君も必死の形相でタイムを上げ、中には先生の優しさなのか、本当なのか、0.1秒UPと言う場面が何本か続き、なんとかラスト一本まで来ました。もう、その時のK君の顔は今でも忘れられません。泣いているのか?それとも笑っているのか?はたまた、気合が入っているのか?と言った感じです。

無事、20本一発で見事練習は終了しました。その後、一言も言わずK君はダウンに行きました。普段はダウンも行かないのにと・・・ そして、そんなハード練習をしたK君の結果というと、800mリレーで2分2・3秒で計算されながら、見事2分07秒かかってきました。やっぱり練習は日々の積み重ねと言うことですかね。チャンチャン(笑)