先輩命令

今から１０年以上前のお話です。
私が通っていた高校は上下関係が非常に厳しく、我が水泳部も例外ではありませんでした。
上級生が言ったことには絶対服従。
特に３年生に何か言われても１年生は、

「はい！」か「いいえ！」

しか言えないほど厳しかったのです。

当時私は１年生。
日々大人しく学校に通っていました。

ある試合の直前、私はその試合に全てを賭けていたため気合を入れようと、 髪の毛をバリカンで坊主頭にしました。
翌日、学校に行くと３年生に
「どうしたんだ？気合いれたのか？？」と聞かれ、
「はい！」と答えると、
「バカヤロー！！そんな事で気合がはいるか！！！」怒られました。

（どうして？？）と思っていると、先輩は鞄をゴソゴソ・・・・・。

取り出したのはＴ型の安全カミソリです。
「気合はこうやって入れるんだ～！！」と、私の頭を剃り始めたのです。
みるみる私の頭から髪の毛が落ちていきます・・・・。

しかし５分後、先輩は「疲れた」と言い残し消えていきました。 残されたのは、私と、Ｔ型カミソリと、ところどころに残った頭髪。
自分で残りの頭髪を剃ろうかとも思いましたが、その時すでに頭は血だらけ。
あまりに痛いため、剃ることを断念。 しかたなく家まで電車で１時間。
メッシュキャップを被って帰りました・・・・・。