これは僕が中学生の時の出来事です。
その日はコーチの機嫌が悪く、練習中もピリピリと張り詰め、時間が長く感じました。ちらっと時計を見たら21時15分。練習時間が過ぎていました。 メインらしき練習が終わったので、やっと帰れると思ったとき、コーチの一言
「スタートダッシュ10本」
「えぇ~」
どよめく選手達そしてコーチ
「制限、ベスト+0.6秒」
「わぁ~」
厳しい表情のコーチには逆らえず、スタート台に乗りました。
「よーい、アィ」
二人づつ飛び込んでいきました。3本目までは順調でしたが次第に制限が切れなく なった選手が出てきました。 僕もそのうちの一人で、三人が残っていました。 僕はもう一人と一緒に、そしてY君は一人で増しをくらっていました。
13本目になった時、僕たちが泳ぎ終わりY君のスタートの時、もう既に、タイムを計らないでスタート台の後ろで座っていたコーチが急に笑い出しました。
周りの選手達も大爆笑しています。
Y君も僕たちも何がなんだかわからなく、Y君も台の上でポカ~ンとしています。
僕たちも慌てて戻り 「どうしたんですか?」 と聞くとコーチは 「よ~い」 といい、Y君を指差しました。
僕たちがぱっとY君を見ると構えているY君のお尻が見えていました。
そうです。水着が破れていたのです。 Y君はようやく気付きお尻を隠しました。
プール中を笑い声が包み込みました。
おかげで練習も終了。
一方Y君は更衣室で泣いていました。
それから僕たちは水着を二枚着るようになりました。Y君はスイミングに来なくなりました。
みなさんも薄い水着には気をつけて下さいね。