アメリカが泳法(ドルフィンキック)で北島選手に揺さぶりをかけた。しかし日本の平泳ぎには伝統と絶対的な強みがある。
古川勝選手の潜水泳法 (『人間ノーチラス』といわれた)、1956年メルボルン五輪男子200m平泳ぎで金メダルを取った古川選手はスタートして40メートルも潜りっぱなしで悠々と1位になった。
200mのうち75%は水の中で「観客は面白くない」と国際水連がなんと翌年から禁止したが、実は古川が強過ぎたことによる“日本たたき”だったとしか考えなれない。
72年ミュンヘン五輪100m金の田口信教も、その前のメキシコでは準決勝1位になりながら、独自に開発したキックが「バタフライのドルフィンキックが入っている」と失格になっっている。
アテネ五輪で100mに続き、200mでも圧倒的な強さを見せて2冠となった北島にも「スタート直後にドルフィンキックを打っている」と100メートルの後、米国チームからクレームがついた。
しかし、北島は「いわれたからには、絶対に負けられねえ」と逆手にとってライバルをねじ伏せた 強い選手が出るたびに泳法に物言いがつく。本当にムカムカくる。
それが日本の平泳ぎの歴史でもある。
しかし、日本の平泳ぎには絶対の強みがある…。
キックにぴったりの足の短さだ。
「足が長い外国人は蹴る力は強いが、戻すときの水の抵抗が大きすぎ、その分、タイムをロスすることになる」
その他、
「平泳ぎはルールは、厳しいからテクニックもいる。その分、ほかの種目に比べて選手寿命が長い」
「ストリームラインで身長や手足の長さをカバーできる」
「比較的膝が柔らかい」←和式の便器を使用しているからという理由もある
北島選手もまだ22歳。次の今村選手やその他若い選手が是非、日本の平泳ぎを盛り上げてほしいと願う。
水泳は、アメリカ、オーストラリアなどの時代を一新した若者でこれからも注目していきたい。
※ 『ノーチラス』は米国で54年に進水した世界最初の原子力潜水艦だ