「ジュニアオリンピックにて・・・・」
私は某スイミングスクールで選手育成に携わる者です。
私が今までで一番心に残っているレースはその当時の教え子が出場した「ジュニアオリンピック」です。
当時は私もまだまだ選手の練習にしても半信半疑でただ夢中で突っ走っていました。
練習の中でもかなり無理をさせていたように思います。
その中でも唯一私の言う事に必死になって着いてきていたのが A.N ちゃんでした。
その他のみんなががんばっていなかったわけではありませんが、飛びぬけてやっていたように思います。
私が選手に厳しく注意すると大体の選手は目に涙を浮かべ泣いてしまいますが、この子だけは決して涙を見せない気丈な選手でした。
A.N が初めて「ジュニアオリンピック」に出場したのは9歳の春の大会でした。
B グループになって二回目で出場するのはかなり実力がある選手しか出場することが出来ない中、見事出場できました。その後も順調に制限タイムを突破し出場をしていき3回目の出場の時の話になります。
3回目となりますと B グループ最後の大会になり私も非常に熱が入り指導していましたがその練習の中で何度も呼び出して A.N にこんな事を問いかけていました。
「お前は全国で優勝する気はあるのか?」
この問いかけに本人は「はい!」とうなずいていました。当時は私も半信半疑で問いかけていましたが、だんだん当日に近づくにつれて現実感が沸いて来ました。当然本人が必死になって私のしごきにも耐えてくれたからこそ実現感が出てきたわけですが本当に良く頑張っていたと思います!
大会当時の日は私が引率する事が出来ませんでしたが、引率のコーチから随時連絡を頂いていました。予選はリラックスしたムードで出場し見事1位通過する事ができたと連絡を頂いたのはお昼過ぎでした。私は正直本当に信じられなかったです。
決勝に向かうまでの間私は自分のことのように緊張して仕事どころではなかったように思います。決勝の時間の1時間前になりスイミングの電話がなりました。引率コーチからでした。なんと「もう召集に行きよった」という電話・・・・何をしてんやと思いましたが、引率コーチ曰く早く行った方が緊張しないようだと言われ納得して電話を切りました。それからまた1時間後スイミングの電話がなりました、引率コーチからです。
「結果はどうでしたか?」
「おめでとう!!優勝や!!!」
「ありがとうございます!」
でした。本当に身体が震えたのを今でも覚えています。