2022年6月25日(土曜日)07時52分 配信
「競泳・世界選手権」(25日、ブダペスト)
男子100メートルバタフライ決勝が行われ、昨夏の東京五輪代表で日本記録保持者の水沼尚輝(25)=新潟医福大職=が50秒94で銀メダルに輝いた。同種目での表彰台は、五輪、世界選手権通じて日本史上初の快挙。クリストフ・ミラク(ハンガリー)が50秒14で、同200メートルに続き2冠を達成した。
日本競泳界の歴史が動いた。レースは前半ほぼ横一線の状態。水沼は後半でじわじわと速度を上げ、強化してきた残り15メートルでエンジン全開。「負けじと追い付くぞという気持ちで」と“東欧の怪物”ミラクに食らいつき、3位とわずか0秒03差の接戦を制した。
「メークヒストリーすることができた。ここに来るまでに非常に長い時間と年月をかけて、この舞台に立てるようになって、すごい不思議な気持ち。世界大会で銀メダルを取れたのはうれしく思う」と胸を張った。
初代表は同19年大会。「周りにトップ選手がいて目が映ってしまった。信念がぶれていた」と自分の泳ぎを発揮できず9位。東京五輪でもその課題は克服できずに、10位で予選落ちとなった。
迎えた3回目の代表となる今大会。「前2大会ともメダルを目指すと言って失敗した。メダルは意識するが、そこばかりに目が行きすぎるのではなく、決勝でベストパフォーマンスを」と自分自身に集中。準決勝は50秒81で日本記録を更新。決勝でも持ち味を発揮し、史上初の偉業を成し遂げた。
「このタイムだとまだまだアジア記録には遠い。しっかり50秒3を見据えたレース展開を考えていきたい」。日本人は勝てないと言われ続けた男子100メートルバタフライ。24年パリ五輪メダル獲得へ、水沼が道を切り開いた。
デイリーより