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池江璃花子 奇跡Vで東京五輪内定 列島に元気与えた復活劇!一晩で0秒71短縮

2021年4月5日(月曜日)09時16分 配信

「競泳・日本選手権」(4日、東京アクアティクスセンター)
3種目で決勝が行われ、女子100メートルバタフライ決勝で、白血病からの完全復活を目指す池江璃花子(20)=ルネサンス=が57秒77で3年ぶりに頂点に立った。57秒92のメドレーリレー派遣標準記録を突破して優勝し、400メートルメドレーリレーの代表入りが決定。レース後は涙を流し「優勝できると思っていなかった。今、すごく幸せです」と感無量だった。
止まらなかった。次から次へあふれ出た。電光掲示板に輝く「1」、そしてタイムを確認すると、池江は右手を何度も握った。喜びがじわじわと涙に変わり、こぼれ落ちた。「ほんっとうに、言葉にできないような、表現できないような、そんなうれしい気持ちになった」。レース後のきつさと心の震えが幾重にも重なり、肩がふるえた。なかなかプールから上がれなかった。
予選、準決勝で「一気に腕が回らなくなった」という最後の10メートルで伸びたことが最大の勝因。「頭の片隅」にひっそりとしまっていた「優勝したい」という思いも、池江を突き動かしたという。
かつては東京五輪の金メダルを目指した本命種目。「戻ってくるのに時間がかかると思っていた種目」でもあった。だからこそ「びっくりして、何が起こったか分からない」。さまざまな感情が交ざり合っていた。
白血病の発覚から2年2カ月。退院後初めてプールに入ったのが昨年3月。その後、医師から顔を水につける許可がおり、初めてバタフライを泳いだ日を、池江は「最悪。こんなにきついんだって」と振り返っている。
初めて同種目のレースに出場した日は「こんなにきつかったっけ」。そして「まだちょっと早かったかな」とも口にした。本格的に練習を再開してまだ1年に満たないが、重ねてきた小さな小さな自信の種を育むように「ここにいることの幸せを感じよう」と言い聞かせた。入場時、一礼して自分へ、そしてプールへ声をかけた。
「ただいま」-。
準決勝から一晩で0秒71タイムを縮めた。リレーの派遣標準記録も突破し、東京五輪への切符をつかんだ。
一体誰がこんな未来を予想しただろうか。この57秒間が、どれだけの人の心を動かしただろうか。「努力は必ず報われる」-。彼女の言葉にうそはない。「すごくうれしいけど、このタイムで世界と戦えるかっていわれたら、そういうタイムではない。これから高みを目指していきたい」。一度は諦めた東京五輪。4カ月後、この日と同じこのプールにどんな未来を描くのか。世界の舞台に、IKEEが帰ってくる。

デイリーより

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