東京五輪テスト大会第１弾が延期へ…３月４日開幕予定ＡＳ最終予選

2021年1月27日（水曜日）08時28分 配信

国際水泳連盟（ＦＩＮＡ）などが新型コロナウイルス感染症の影響を受け、東京五輪のテスト大会を兼ねて３月４～７日に東京で開催予定だったアーティスティックスイミング（ＡＳ）の五輪最終予選を延期する方向で調整に入った。２６日、複数の関係者が明らかにした。東京五輪の１年延期決定後、最初に行われるテスト大会となる予定で、日本側にとっては安心・安全な大会運営を世界にアピールするチャンスだったが、厳しい判断が下された。

東京五輪開催に向けた力強い一歩となるはずが、いきなり大きくつまずいた。３月に五輪会場の東京アクアティクスセンターで開催予定だったＡＳの五輪予選が延期される方針が固まった。同大会は、コロナ対策を踏まえた運営のリハーサルとして再開されるテスト大会の第１弾となっていた。
各競技、次々と国際大会が中止や延期となる中、開催国の日本としては世界に安心・安全な五輪運営をアピールする絶好の機会だった。ある大会関係者は「どう考えても五輪にマイナス材料になる」と懸念した。

同大会では、チームとデュエットが実施される予定だった。日本は両種目とも開催国枠を得ているため出場しないが、十数か国の参加が見込まれていた。日本側に正式な通達はなく、準備も着々と進められていたが、エントリー締め切りの２８日を目前に突然の方針転換。日本政府は緊急事態宣言とビジネス往来停止に合わせ、スポーツの入国特例措置を中断しており、海外選手を迎える大会の準備が困難と判断された。
今回は五輪最終予選も兼ねており、出場国の確定などがずれ込むことになるが、関係者は「延期になっても実務的には対応できる」と強調。ＦＩＮＡは大会組織委員会や日本水泳連盟などと代替日程の協議を進めており、４～５月に改めて実施する案が出ているものの、別の大会関係者は「（五輪に）出場できるかどうか分からない国にとっては大きな問題。新たな日程で調整し直すことは非常に大変なこと」と説明した。
最近では２月に都内で集中開催予定だったバスケットボール男子のアジア杯予選Ｂ組がカタール開催に変更されたばかりだ。昨年１１月の体操国際大会（国立代々木競技場）以降となる国内での五輪競技の国際大会が連続して開催断念。東京五輪開催に向けて、厳しい現実が突きつけられている。

報知新聞より