2020年12月7日(月曜日)11時44分 配信
「競泳・日本選手権」(6日、東京アクアティクスセンター)
東京五輪会場で行われ、200メートル平泳ぎの男子は日本記録保持者の渡辺一平(23)=トヨタ自動車=が2分7秒08で制し、大会2連覇を果たした。
日本記録保持者として、世界一を目指す者として、絶対に負けられない戦いだった。序盤は世界記録ペース。150メートルのターン手前で佐藤を捉えた渡辺が、終盤もペースを落とさず抜け出した。自身の持つ日本記録2分6秒67には及ばなかったが、2分7秒08の好タイムで優勝。「周りは全く見ていなくて。世界一を目指す人間として、どんな状況でも負けない強い気持ちで臨んだ。自分が今すべきことに集中して泳いだ」と胸を張った。
200メートルを50メートルずつに区切り、50~100、100~150、150~200メートルを全て32秒台で刻むことが今大会のテーマだった。最後の50メートルだけやや失速し33秒1だったが、落ち幅を最小限に抑えた手応えは大きい。「今の強化は間違ってないと確信した」とうなずいた。
9月下旬からウエートトレーニングを本格的に開始。重量を今までの倍にし、週2回、以前の1時間から1時間半に増やした。ストローク数はそのまま、出力を高くすることでタイムの向上につなげるのが狙いだ。奥野コーチは成果について「もうちょっと、まだまだです」と苦笑いを浮かべたが「強化しながら7秒台が目標だった。7秒0は想像以上」と太鼓判。渡辺も「去年の12月に2分7秒0は絶対出せていない。いいトレーニングができていると自信を持って言える」と二人三脚の歩みを誇った。
早大生だった16年リオ五輪では、準決勝で五輪レコードを樹立しながら決勝は6位。世界記録保持者として臨んだ19年世界選手権は銅メダルだった。ずっと、目指してきたのは東京五輪の舞台だ。本番会場で優勝の味をかみしめ「泳ぎやすいいいプール。勝てたのも大きいことだと思う」。予行練習は完了。「誰よりも努力したい。4月の日本選手権も東京五輪も、勝ち続けたい」。今はもう、金メダルしか見ていない。
デイリーより