2020年9月10日(木曜日)13時18分 配信
賞金総額605万ドル(約6億6550万円)! 賞金大会の競泳国際リーグ(ISL)が9日、2年目の開催概要を発表した。初参戦する日本のチーム名は「トーキョーフロッグ(かえる)キングス」で、チーム代表の北島康介氏(37)は「競泳界を変える取り組み」と期待した。ISLは10月16日から11月22日までハンガリー・ブダペストで計12大会を予定。世界から10チーム計320人の選手が団体戦で争う。選手の9割が五輪、世界選手権出場者でメダリストも参戦する。
世界7カ国をつなぐオンライン会見で、破格の賞金大会がベールを脱いだ。北島氏は「このリーグが、東京五輪後の水泳界を変えると信じて取り組んできた。自己を高める記録競技の水泳に新しいエンターテインメント、新しいファンを引き込みたい」と期待した。
賞金総額605万ドル(約6億6550万円)。ISLは昨年、ウクライナの富豪グレゴリシン氏が創設した。観客がより楽しめるように団体戦を採用。1チーム32人ずつ合計10チームで争う。日本はブダペストでリーグ戦4試合と準決勝で最大5試合を予定。決勝は12月末(開催地未定)だ。
初参戦の日本は代表の北島氏がチームを編成。入江陵介を主将に指名し、瀬戸大也、萩野公介、大橋悠依、松元克央、タレントおのののかと結婚した塩浦慎理らトップ選手が参加。慶大の佐藤翔馬、東洋大の白井璃緒ら世界レベルの大学生も選抜された。ISLでは国籍による制限はなく、女子自由形五輪金メダルのリア・スミス(米国)も入り副主将を務める。北島氏は「(上位4チームの)決勝進出を目標にしたい」とした。
「プレ五輪」ともいえる大会だ。選手の9割が、世界大会経験者でメダリストも多い。コロナ禍で国際大会がない中で強豪が一堂に集まる。試合の間には、各国選手との合同練習も可能。渡航費、滞在費はISLが負担して、さらに選手1人に1万5000ドル(約165万円)を支給して、競技活動をサポートする。
感染症対策として、出場選手は、出国前に2度のPCR検査、現地入り直後にも検査。さらに48時間はドナウ川に浮かぶ孤島のホテルに隔離されて、再びPCR検査。大会期間中も5日に1度のPCR検査と万全を期す。北島氏は「日本選手を派遣するにあたって安全面は意識している」。今大会の運営は東京五輪でも参考になりそうだ。
今年はコロナ禍でブダペストでの集中開催となったが、21年以降は世界を巡るツアーに戻り、東京でも毎年開催予定。フロッグ=かえる軍団を率いる北島氏は「五輪後のレガシーになると思う」とその効果に期待を込め
た。【益田一弘】
◆競泳と賞金 最近は増加傾向にある。これまで国際水連のW杯が賞金を設定していたが、各種目優勝=1500ドル(約16万5000円)だった。国際水連は昨年から各種目優勝=1万ドル(約110万円)賞金総額300万ドル(約3億3000万円)のチャンピオンシリーズを新設。ただISLの賞金総額は、その倍以上となった。国内では北島康介杯が18年から賞金を設定。今年2月のコナミオープンでは世界新3000万円、日本新500万円が設定された。コロナ禍で延期となった4月の日本選手権も賞金がつく見通しだった。
日刊スポーツより