2019年7月27日(土曜日)11時06分 配信
水泳・世界選手権第15日(26日、韓国・光州)男子200メートル平泳ぎで渡辺一平(22)=トヨタ自動車=が2分6秒73で2大会連続の銅メダルを獲得した。アントン・チュプコフ(22)=ロシア=が渡辺らが保持していた世界記録を0秒55上回る2分6秒12で2連覇した。男子200メートル背泳ぎの入江陵介(29)=イトマン東進=は1分56秒52で5位だった。
ひと伸びが足りなかった。世界新記録で決した男子200メートル平泳ぎ。渡辺は全力を尽くしたが、目指した頂点は同級生のチュプコフ(ロシア)に世界記録で奪われた。
「めちゃくちゃ、悔しい。世界記録もすべて、かっさらわれた」
スタートから落ち着いて展開を進め、ラスト50メートルの時点でも我慢。渡辺が持つ2分6秒67の世界記録と同タイムを準決勝でマークしたマシュー・ウィルソン(20)=オーストラリア=が常にトップでレースを進める中、ラスト25メートルで渡辺、ウィルソン、150メートル時点で5番手だったチュプコフが並んだ。ラスト15メートル勝負と読み、ペースを上げたが及ばず3位。2分6秒12の優勝タイムに「今僕が出せる記録ではない」と完敗を認めた。
2017年1月29日。冬場の強化期間中に出場した国内大会で「びっくりした」という思いもよらない世界記録樹立。それからの2年半、常に世界記録保持者の重圧が両肩にのしかかった。絶対の自信を持って臨んだ4月の日本選手権はラスト50メートルで大失速。その後は前半から攻めるなど複数のプランを試したが、2分6秒台すら出なかった。「(世界記録は)狙って出した記録ではなくて出てしまったもの」。タイトルホルダーの称号から目をそらし、こう口にすることもあった。
17年世界選手権に続いて2大会連続の銅メダル。レース直後は「すがすがしい」と笑顔も見せたが、表彰台の一番低いところに立ち、悔しさがわき上がった。来年の東京五輪は2分5秒台での金メダル争いが予想される。「彼ら以上の地獄の練習をして、天国のような表彰台に乗りたい。チャレンジャーとして、東京五輪でこれだけ強い同級性のライバルに勝てるよう頑張りたい」。前世界記録保持者が、ここから逆襲する。
サンスポより