2019年7月13日(土曜日)09時19分 配信
テーマの「くのいち桜吹雪」を見事に演じ切ったかに見えたが、結果は苦しい船出となった。デュエット・テクニカルルーティン(TR)予選で乾、吉田組は、3位のライバル、ウクライナと0・1400点差の4位。井村雅代ヘッドコーチは「この差は結構大きい」と首をひねった。
アップテンポな曲に乗った2人は水面から長く伸びた脚技をピタリと合わせ、会場を沸かせた。音感に秀でる2人の特長を生かすため、昨夏のアジア大会後に曲調をリズミカルにし、細かな振り付けを増やすなどテコ入れを進めてきた成果が出た。
ただ、日本より前に演技したウクライナペアは高さを生かし、畳みかけるような迫力のある演技だった。日本は全体の4割を占める規定要素で上回ったが、残りの完遂度や表現力などで劣った。乾は「自分たちはちょっと縮こまっている」と反省を口にした。
日本が得意としてきた技術力が問われる種目なだけに井村ヘッドコーチの表情も険しい。「もっとパワーが前面にでないとだめ。本人たちが気持ちを吹っ切らないといけない」と厳しい口調で語った。【村上正】
毎日新聞より