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松元克央「萩野さんと戦いたい」男子200メートル自由形連覇、世界水泳切符獲得

2019年4月5日(金曜日)09時11分 配信

◆第95回競泳日本選手権第3日(4日、東京・辰巳国際水泳場)

男子200メートル自由形で、松元克央(かつひろ、22)=セントラルスポーツ=が1分45秒63で2連覇。この日の決勝7種目で派遣標準記録を唯一突破し、7月の世界選手権(韓国・光州)の代表入りを決めた。不振による無期限休養中の萩野公介(ブリヂストン)に憧れるホープは「カッコいい萩野さんが見たい」と、復活へエールを送った。女子100メートル平泳ぎは関口美咲(22)=木下グループ=が初制覇したが、ここまで個人の世界選手権代表内定者は3人と低調だ。

イキの良さが際立った。“カツオ”のニックネームを持つ松元が、自己ベストを0秒29更新する1分45秒63で連覇を達成した。個人では初めての世界選手権切符。「安心しているし、うれしい気持ちもたくさんある」。淡々とした口調の中にも喜びをにじませた。

名将の秘蔵っ子だ。2017年2月から、1988年ソウル五輪100メートル背泳ぎ金メダルの鈴木大地(現スポーツ庁長官)を育てた鈴木陽二コーチ(69)に師事。186センチ、84キロの恵まれた体から繰り出す、スケールの大きな泳ぎを猛練習で磨いてきた。昨夏のパンパシフィック選手権では同種目で銅メダルと頭角を現してきた。決勝前には、予選で周囲のペースを気にしすぎたことを指摘され「お前はお前。絶対ベストが出る」と暗示をかけられて、その通りの結果が出た。「先生は喜んでくれるとは思うけど、心の底からでは…」と恐縮した。

夏以降、右肩の関節唇を痛めて泳げない時期もあったが、その分、下半身強化に時間を割いた。「もともとお尻が小さかったんですけど、大きくなったと言われます」と、美尻による推進力も得た。

150メートルまでは日本記録を上回るハイペース。0秒40及ばなかった記録保持者の萩野が憧れだ。萩野は昨年も直前で200自の出場を取りやめ、直接対決は2年連続でお預けとなった。無期限休養中の先輩とともに世界の舞台で戦いたい気持ちは、相当に強い。

「一緒に戦いたい。萩野さんがいると心強い。五輪で金メダルを取った人の気持ちは僕には分からないが、やっぱりカッコいい萩野さんが見たい。負けている姿の萩野さんは見たくない」

完全復活、そして共闘へのエールを、力強い言葉と泳ぎで届けた。(太田 倫)

◆松元 克央(まつもと・かつひろ)1997年2月28日、福島県生まれ。22歳。千葉商大付高から明大。17年世界選手権代表。18年パンパシフィック選手権200メートル自由形3位。18年ジャカルタ・アジア大会同2位。自己ベストは100メートル自由形が48秒81、400メートル自由形が3分52秒07。両親からもカツオとあだ名で呼ばれている。186センチ、84キロ。

◆競泳の代表選考 原則として個人の五輪種目は、日本選手権の決勝で、日本水連が定める「派遣標準記録」を突破して2位以内となれば世界選手権の代表に決まる。世界選手権で金メダルを獲得した選手は東京五輪の代表に内定する。20年の日本選手権で五輪代表は確定する。

スポーツ報知より

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