2019年4月4日(木曜日)08時31分 配信
59秒54。ゴール後、タイムを確認した小関は思わず首をかしげた。競泳日本選手権の男子100メートル平泳ぎ決勝。猛追してきた渡辺を0秒04差でかわして6連覇は達成したが、派遣標準記録には0秒16届かなかった。「ちょっと遅すぎますね」と落胆の色を隠せなかった。
自身の日本記録58秒78を更新するイメージで臨んだ。前半は理想的なペースだったが、「最後は力みまくった」。理想と現実のギャップが大きかったのだろう。「もっと無心で泳げばよかった」との反省も口をついた。
1年以上前から左膝の慢性的な痛みと向き合ってきた。米国合宿でもこれまで以上にケアに時間をかけ、下半身強化を図ってきた。「世界には故障を抱えている選手は多くいる」とも話す。足の状態を聞かれても「調子は良かった」と決して言い訳にはしなかった。
200メートルも渡辺との一騎打ちが予想されるだけに「100メートルでタイムが出なかった要因をしっかりと分析したい」。五輪2大会連続2冠に輝いた北島康介の後を継ぐ形でこの種目の王者に君臨しているが、五輪で戦うにはまだまだ殻を破らなければならない。(丸山和郎)
産経新聞より