2018年7月21日(土曜日)08時52分 配信
2020年東京五輪の組織委員会は20日、来年春に発売予定の五輪公式チケットの概要を発表した。最高額が開会式の30万円に設定された一方で、競技の一般チケットは最も安価なもので2500円と、幅広い価格帯が用意された。日本で人気があり、メダルの期待が高い柔道、レスリング、卓球は16年リオ大会などより高めに設定。合計780万枚のチケットを販売予定だが、その半分以上が比較的求めやすい8000円以下で購入可能となっている。
2年後に迫った東京五輪のチケット価格の大枠が公表された。史上最多の33競技、339種目で合計780万枚を販売予定だが、「日本らしさ」と「お求めやすさ」が価格設定のキーとなった。
全体の最高額は開会式の30万円に設定され、閉会式も最高22万円。競技別の最高額では陸上競技の13万円がトップで、花形である男子100メートルなどがこの価格帯となる見込みだ。続くのは競泳やバスケットボールで10万8000円。盛り上がりが予想される野球は6万7500円。その他、日本のお家芸は人気があり、メダルの期待も高いことを考慮に入れて価格が決められた。柔道の5万4000円はリオ五輪の約2倍、卓球の3万6000円は同2・8倍に引き上げられたほか、レスリングもやや高めの4万5000円とされた。
一方で低価格帯の充実も売りだ。大半の競技で4000円以下のチケットを用意し、総数の半分以上が8000円以下で購入可能となった。サッカーやマラソンなどは最安値が2500円で、手が届きやすい魅力がある。組織委関係者は「日本のほかのスポーツイベントや、音楽などのライブエンターテインメントの価格設定を考えると、みなさまに受け入れてもらえる水準ではないか」と、自信を示した。
また、別枠で開催年にちなんだ1人2020円の「企画チケット」が2種類ある。12歳以下の子供、60歳以上の年配の方、障害者も含めた家族などが気軽に観戦できるようにした「グループ向け」は、開閉会式を含む全ての競技で販売。「学校連携観戦プログラム」として学校や自治体単位で購入できるものは、パラリンピックと合わせ100万人以上に活用してもらう方針だ。
一般販売は19年春の開始を予定する。780万枚が完売すれば、売り上げは773億円に上る計算だ。今回、組織委が参考とした12年ロンドン五輪は、用意した850万枚中、実に96%強となる820万枚をさばき、953億円もの収入を得た。組織委関係者は「全ての競技がフルスタジアムとなるのが目標」と、超満員のスタンドを思い描いた。
◆受け取り20年春以降 来春に始まる東京五輪のチケット販売は、当初は公式サイトからのオンライン販売のみで、受け取りは20年春以降となる。購入には「TOKYO 2020 ID(URLはhttps://id.tokyo2020.jp/)」への登録が必要で、既に約5万人が登録している。20年にはチケットを直接購入できる販売窓口が、都内を中心に設けられる予定。大会期間中は、各競技会場の窓口でも購入可能になる。
富裕層向けに飲食サービスなどが付いた「ホスピタリティプログラム」と称する高額な企画チケットも準備し、最高は4500ポンド(約66万円)だった12年ロンドン五輪に近い価格となる見通しだ。車いす席の入場券については別途、発表する。
スポーツ報知より