2018年4月18日(水曜日)08時38分 配信
先の水泳日本選手権で6つの日本新記録を作った“東京五輪金メダルに一番近い女子高生スイマー”池江璃花子(17)への期待は大きい。
「自らの持つ日本記録を泳ぐ度に更新している。自由形でもバタフライでも世界のトップ選手に追いつくのも時間の問題でしょう」(スポーツ紙記者)そんな池江に思わぬ“難敵”が現われた。東京五輪の競泳日程が、「“午前決勝”を選択肢に入れて最終調整されている」(日刊スポーツ4月10日付)と報じられたのだ。JOC(日本オリンピック委員会)関係者が解説する。
「アメリカのテレビ局の意向を反映したものです。通常、競泳の大会は決勝が午後か夜になるように設定されていて、五輪でもほとんどの競技は開催国の午後に行なわれてきた。しかし、競泳はアメリカで人気競技のため、アメリカのゴールデンタイムに合わせて決勝が行なわれそうなのです」とはいえ、競技時間が変わったところで、会社員が見づらい、ぐらいしか不便はなさそうだが……。
「競技時間の変更は、選手に影響大です。自国開催は本来、時差の調整が不必要な点がその国の代表選手に有利とされますが、“午前決勝”というイレギュラーな時間では、そのアドバンテージがないに等しい」(前出・JOC関係者)ミュンヘン五輪男子100メートル平泳ぎの金メダリスト田口信教氏はこう指摘する。
「世界で戦うトップクラスの選手は、競技時間に合わせてスケジュールを全部ずらします。五輪でのメダル獲得は、試合環境を自分で制御できるかにかかってくる。競技時間に合わせてしっかり調整をする。これが池江選手が乗り越えないといけない壁だと思います」“外圧”に屈して自国選手に不利なスケジュールを組むこと自体情けないが、池江には“水面下の調整力”が求められる五輪になりそうだ。
週刊ポストより