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池江日本新6回の日本選手権は一般観客が数百人 このままでいいの?

2018年4月9日(月曜日)12時32分 配信

東京辰巳国際水泳場で開催された競泳の日本選手権が8日で終了した。今夏のパンパシフィック選手権(辰巳)とアジア大会(ジャカルタ)の代表入りが懸かった大会で、女子の池江璃花子(ルネサンス亀戸)が計6個の日本新記録を出すなど選手たちは熱い戦いを繰り広げた。報道陣も2年後に迫った20年東京五輪のメダリスト候補を追いかけ、連日100人以上が詰めかけた。

これだけの盛り上がりがありながら、気になったのはガラガラの観客席だ。選手や報道陣の熱気とは対照的に、かなりお寒い状態だった。辰巳国際水泳場は約5000人収容だが、大会6日間の準決勝・決勝(午後4~7時開始)の観客数は主催者発表で2138人、2378人、2526人、2670人、2801人、3456人で、平均2662人。これは選手や関係者が含まれた数字で、実際の一般観客は最終日を除いて数百人と思われる。ある水泳関係者は北島康介が活躍した04年アテネ五輪や08年北京五輪の頃のにぎわいと比べて「北島がいた頃は席がなくて、仕方なく通路で見ていて、よく注意されたものなのに…」と嘆いていた。

五輪で競泳と言えば、チケット入手が困難な人気競技だ。日本は00年シドニー五輪以降、多くのメダリストを輩出し、高い競技力を持っている。その国の最高峰の大会で、これだけお客さんが少ないのが残念でならない。

日本では子どもからお年寄りまで水泳の愛好家は多いが、なかなか「見るスポーツ」としては定着していないのが現状だ。ならば、水泳界全体でお客さんにもっと会場に足を運んでもらうための検証、努力が必要だ。大人・子供同一料金で、前売り券3500円~8000円、当日券4000円~8500円のやや高額な入場券は子供たちの足を遠ざける要因になっていないだろうか。競技がすべて終了した代表選手がサイン会を実施するのはどうだろうか。プロ的な活動をする選手が増えてきた現在、選手に観客増のアイデアを求めてもいいと思う。

辰巳国際水泳場から歩いて10分程度のところに、競泳の五輪会場「アクアティクスセンター」が現在、建設中だ。観客席は五輪期間中は1万5000人で、五輪後は5000人に縮小される。五輪後、アクアティクスセンターが主会場となるであろう日本選手権は常に5000人の大観衆で埋め尽くされる大会であってほしい。水泳が「見るスポーツ」としても根付いていかなければ、立派な施設も負の遺産になりかねない。(柳田 博)

スポニチアネックスより

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