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フェルプスさん「選手のうつに五輪委の支援を」 幼少期の悩みも語る

2018年3月29日(木曜日)09時19分 配信

米国の伝説的な元競泳選手でうつ病の過去を公表しているマイケル・フェルプスさん(32)がこのほど、新たに公開された対談で、五輪選手の多くが出場後にうつ状態を経験すると指摘し、米国オリンピック委員会(USOC)に支援を求めた。対談では、家庭環境に悩んだ自身の生い立ちも振り返った。

五輪で通算23個の金メダルを獲得してスポーツ史を塗り替えたフェルプスさん。だがその陰で、大会が終わるたびにうつの発作に苦しんでいた。

米シカゴ大学政治研究所とCNNによるポッドキャストでこのほど、フェルプスさんと政治コンサルタント、デービッド・アクセルロッド氏の対談が配信された。フェルプスさんはこの中で、五輪が終わるたびに重いうつ状態に陥った経験を振り返った。

特に2012年ロンドン大会の後は自殺願望が強く、「ひたすら死にたかった」と話す。

選手たちは時差をまたいで移動するため、睡眠導入剤を処方されていた。死を思ってふと見た時、手元には1回分しか残っていなかった。「1つしかなくてよかった。処方された薬が全部残っていたらと思うと」と、フェルプスさんは言う。

五輪選手は母国のためにメダルを取ろうと全力を尽くす。「ところが帰国すると『はい、この選手は済んだ。次に出てくるのはだれだ』という感じになっている。悲しいことだと思う」

フェルプスさんによれば、五輪に出場する選手の大半が「五輪後うつ」を経験する。米女子競泳のメリッサ・フランクリンさんやアリソン・シュミットさんもそうだった。フランクリンさんも先日、CNNとのインタビューで、ロンドン大会で4冠を達成した後のうつ経験を明かしていた。

五輪から帰った選手が次の一歩を踏み出すために、USOCはもっと支援態勢を確立するべきだと、フェルプスさんは主張する。「USOCが何もしてこなかったのは残念。今後の課題として取り組んでいる」と語った。

USOCは16年に、引退後の選手たちが次の目標を見出せるよう手助けするためのプログラム「ピボット」を立ち上げている。

フェルプスさんは対談で、感情を口に出せるようになったことが回復の鍵になったと強調し、自身の生い立ちを振り返った。

幼いころに両親が離婚し、片親の家庭に育ったのは「つらかった」という。父は家にいたことがなく、良い関係を築けなかった。子ども時代を通して「見捨てられた思い」を抱き続けた。

「白い柵で囲われた庭と家族がそろう食卓にあこがれて育った。友だちの家にはあるのに、と」

水泳はフェルプスさんの逃げ場だった。水の中で不満を吐き出すことを覚えた。怒りにまかせて攻撃的な泳ぎを繰り返した時期もある。その一因は恐らく家庭環境の問題だったと、フェルプスさんは言う。「あの頃はよく、水中で暴言を吐いたものです」

フェルプスさんは現在「マイケル・フェルプス財団」の活動を通し、精神的な問題に悩む人々を支援している。自分の経験を語ることで助けられる命があることを、フェルプスさんは知っている。

「1人の命、2人の命を救うことができれば、それが私の望む全て。それは私にとって、1個の金メダルを取ることよりはるかに大きいことです」と力を込めた。

CNNより

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