2016年7月9日(土曜日)10時21分 配信
スポーツ仲裁裁判所(CAS)は8日、北京五輪競泳男子400メートル自由形金メダリストの朴泰桓(パク・テファン、26)について、リオデジャネイロ五輪への出場資格があるとの判断を示した。韓国オリンピック委員会(KOC)は国内の規定を理由に、ドーピング(禁止薬物使用)違反で国際水泳連盟(FINA)から処分を受けた朴をリオ五輪の代表に選ばなかったが、CASの判断を受けて出場させることになった。
朴はドーピング違反で国際水泳連盟(FINA)から1年6か月の選手資格停止処分を受けた。処分は今年3月に終わり、4月の復帰戦では五輪参加標準記録を上回る好記録をマークした。しかし、KOCは処分終了から3年間は国家代表になれないとの規定に基づき朴をリオ五輪の代表に選出しなかった。朴は規定を不服とし、4月CASに提訴していた。
朴のリオ五輪への出場資格をめぐっては韓国の地裁も今月1日に「競泳国家代表として出場できる地位があることを臨時に定める」との判断を示し、朴が権利救済のために申し立てた仮処分申請をすべて認めている。
地裁の判断に対しKOCは「国内裁判所の仮処分の決定を尊重し、これに従う」としながらも、「CASの判断結果が(代表決定の期限までに)出れば、それに従い措置する」との立場を示し、決定を延ばしていた。
KOCは出場選手名簿の提出期限である8日の午前に理事会を開き、CASが朴の主張を認めた場合、朴を含めた水泳競技の選手名簿を作成し、FINAに送付することを決めていた。
KOCのチョ英浩(チョ・ヨンホ)事務総長は同日、「今日の午後、CASから朴泰桓に五輪出場資格があるという内容の通知を受け取った」とした上で、「午前の理事会で決めたとおり、朴泰桓をリオ五輪の代表に含め、FINAに提出する」と説明した。
韓国選手で初めて競泳の五輪メダリストになった朴は、北京五輪で金メダルと銀メダル1個ずつを、12年のロンドン五輪でも銀メダル2個を獲得している。4度目の五輪となるリオ出場に向けては、今年5月に記者会見で土下座しながら「国に奉仕できるよう、一度だけチャンスを与えてほしい」と訴えるなど、強いこだわりを見せた。
聯合ニュースより