2016年6月23日(木曜日)17時58分 配信
ポルトガルのセトゥバルで今月行われたオープンウオーターのリオデジャネイロ五輪世界最終予選で、女子の貴田裕美(コナミスポーツ)が5位、男子の平井康翔(やすなり)=朝日ネット=が10位に入って出場権を獲得した。貴田は「上位争いでいいレースがしたい」、平井は「金メダルを取って自分の人生を変えたい」と述べ、五輪本番への決意を新たにした。
海や湖、川などを遠泳するオープンウオーターは2008年北京五輪から正式種目となり、男女とも10キロが採用されている。日本水泳連盟は、国際競技力不足を理由に北京五輪への選手派遣を見送ったが、12年ロンドン五輪には2人が出場し、貴田は13位、平井は15位だった。
第一線でオープンウオーターに取り組む競技人口はまだまだ少なく、貴田と平井も競泳からの転向組だ。10年パンパシフィック選手権で競泳日本代表だった30歳の貴田は、希望者は出場できた同大会のオープンウオーターに挑み、野外で戦う魅力に取りつかれた。13位だった13年世界選手権で一度は引退も頭をよぎったが、直後に20年東京五輪の開催が決まり、現役続行を決意した。
26歳の平井も高校まで400メートル自由形が専門だったが、「競泳ならせいぜい五輪に出場できるくらい。日本人選手がまだ誰も五輪に出ていないオープンウオーターなら先駆者になれる」と決意し、オーストラリアなどを拠点に実力を付けてきている。
五輪会場となるリオのコパカバーナ海岸は水質が悪く、健康への懸念が広がっているが、テスト大会で経験済みの2人は「特に問題はなかった」と意に介さず、本番での健闘を誓った。
毎日新聞より