2015年12月22日(火曜日)11時07分 配信
16年リオデジャネイロ五輪の出場権が懸かったアジア選手権で優勝し、1984年ロサンゼルス大会以来32年ぶりとなる五輪出場を決めた水球男子日本代表「ポセイドンジャパン」が21日、羽田空港に凱旋帰国した。
大会前は約2カ月間家に帰らず、水球漬けの生活を送ってきた選手たちのほとんどは“無職”。水連やJOCなどから強化費の支給を受ける選手もいるが、個人スポンサーなどが付いている選手もほとんどおらず、大本監督は「五輪に出れば、水球の認知度も高まる。彼らは就職もしていない人間が多い。五輪が終われば、無職。ここで顔を覚えてもらえたら」と、雇用企業やスポンサーが増えることを願った。
選手たちの懐事情は切実だ。約2カ月の間、“拘束”され合宿を行ったのも、単に集中して練習を行うためだけではなかった。大本監督は「解放してしまうと、痩せて帰ってくる。JISS(合宿拠点)なら3度しっかりご飯を食べることができるから」と、説明した。
主将を務める志水祐介(27)=ブルボン=も、「今は無職です」。所属はクラブチーム。オフの時期はラーメン屋などでアルバイトしているが、水球に打ち込んでいる時期は収入は0になる。結婚を考えている交際相手もいるが、状況が状況だけに踏み切れないという。「これを機に環境を変えて行ければ」と、必死に前を向いた。
女子サッカーのなでしこジャパンや、アイスホッケーのスマイルジャパンなど大舞台での活躍で競技環境を一変させた競技も多い。切実な思いを胸に、ポセイドンたちは夢舞台に挑む。
デイリースポーツより