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【水球】日本男子32年ぶり五輪!「ポセイドン・ジャパン」重い扉こじ開けた

2015年12月21日(月曜日)19時25分 配信

◆水球 リオ五輪アジア大陸予選兼アジア選手権最終日 日本16(6―2、2―4、3―1、5―3)10中国(20日、中国・仏山)

 男子の日本が16―10で中国に快勝し、1984年のロサンゼルス大会以来、32年ぶりの五輪出場を決めた。3戦全勝同士だった最終戦で、日本は得意の速攻がさえ、第1ピリオド(P)を6―2とリード。完全アウェーの中、第2Pでは2点差に詰め寄られたが、後半は再び突き放して五輪切符をつかみ取った。大本洋嗣監督(48)が掲げる前線からの守備に磨きをかけ、リオデジャネイロ五輪で「ポセイドン・ジャパン」は8強入りを目指す。

 厳しいトレーニングに耐え抜いた「ポセイドン・ジャパン」が、32年ぶりの五輪の扉をこじ開けた。勝利が決まると、全員がプールに飛び込んだ。中国有利の判定もお構いなしの猛攻で、16―10の完勝。水中で抱きあって喜びを爆発させた志水主将は「100%の内容。自分たちのプレースタイルを出せた」と男泣きだ。

 何度もはね返されたアジアの壁。86年には選手の大麻事件でソウルアジア大会出場を辞退し、04年アテネ、12年ロンドン五輪に向けたアジア予選会では最終予選の権利を得ながら「勝ち目がない」とチーム派遣を見送った。そこで12年に再任した大本監督は定石破りの戦術を導入した。体が大きい外国勢との競り合いでは「何十年たっても太刀打ちできない」と13年からゴール前を固める守りから、前に出て相手のパスコースを塞ぐ守備へと方針転換した。

 相手を上回る体力が必要となる新戦術。それをカバーするためラグビー日本代表並みのハードな合宿を取り入れた。1年の半分は合宿に充て、筋トレとプール練習をそれぞれ午前、午後の2回導入した。通常は1日2~3時間の練習だが、倍の量をこなした。また今大会に向けては10月中旬のグアムから合宿漬けの日々。人気テレビ番組「テラスハウス」で一躍有名になった保田賢也も自身のブログで「グアム1周するぐらい泳いだかも」とつづるほどだった。

 当初は戸惑う選手たちから「水球を知っているのかとまで言われた」と指揮官は言うが、意見をぶつけ合った。“本気のポセイドン”に連盟や関係者が企業を回って募金を募り、強化に集中できる環境を提供。一体となり、五輪切符をつかんだ。
 32年ぶりの五輪に大本監督は「水球界の悲願。今回の勝利は先人の努力があったから。選手たちは皆、最高のプレーヤーだ」と感無量。激流を乗り越えた海王が、世界の舞台に挑む。

 ◆水球 英国発祥で英語では「ウォーターポロ」。1チーム7人で構成されプール内に作られたコート(縦30メートル、横20メートル、水深2メートル以上)の中で、ゴールにボールを入れあい点数を競い合う。ゴールは高さ90センチ、幅3メートル。1ゴール1得点。1試合は8分×4ピリオドの32分。攻撃側は30秒以内にシュートを放たなければならない。GK以外は捕球、送球ともにボールを両手で持つことと底に足をつくことは禁止。頭や足でボールを扱うことは可能。「水中の格闘技」と呼ばれる。

スポーツ報知より

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