【競泳】北島リオ白紙！スピード不発２年ぶり代表ならず「ゆっくり考える」

2015年4月9日（木曜日）08時54分 配信

競泳　日本選手権（８日・辰巳国際水泳場）

　五輪２大会連続２冠の北島康介（３２）＝日本コカ・コーラ＝は、男子１００メートル平泳ぎで１分０秒１８の３位に終わり、７月の世界選手権（ロシア・カザニ）の出場権を逃した。２年連続で主要国際大会の日本代表に入れなかった北島は、今後の去就について「じっくり考える」とした。同種目では小関也朱篤（やすひろ、２３）＝ミキハウス＝が５９秒７３で連覇を飾り、代表入りを決めた。

　北島は祈るように電光掲示板を見つめた。「正直１分かかったと思ったけど、うまく５９秒台が出れば…」。現実は無情だった。ギリギリで派遣標準記録（１分０秒０４）をクリアした２位・立石諒（ミキハウス）に際どいタッチ勝負で負けて０秒１４差の３位。目標の５９秒台も、世界選手権の２枠もスルリと逃げていった。

　かつての絶対王者に迷いがあった。「力をセーブしたつもりはないけど、２人（小関と立石）が後半に強いのを意識したかな」。やや下半身が沈み、スピードに乗れないまま前半５０メートルを３位でターンし、スパートも不発に終わった。「最後の２０メートルは（体力的に）余裕があった。何で力を出し切れなかったのか。悔しい」と首をかしげた。

　５度目の五輪となる１６年リオデジャネイロへの代表切符をつかむには、来年の日本選手権で今回と同じ選考を突破する必要がある。「（今回は）桜のように散ってしまった。また咲かせたい思いは多少なりともあるけど、ゆっくり考える」とリオ挑戦は明言しなかった。

　北島は迷える思いを口にした。「本音はやりきったと思いたいけど、レースを振り返ると、もう少しできたという思いが今は強い」と、６か月を超える長期的な強化には手応えがあった。かつての恩師で東洋大・平井伯昌監督（５１）は「泳ぎが戻ってきた。今後、どうするか話し合いたい」と期待を寄せた。

　その一方で、北島は「結果を受け入れることも大事」と繰り返した。３年前の大会は５８秒９０の日本新で１２度目の優勝を果たした。しかし、１３年７月の世界選手権以降、１分を切ることもできていない。「もっと国内で勝負できる感覚はある。でも、自分が世界で５８秒台でやっていけるのか」。世界トップとの差を見ると歯がゆい思いもある。何を目標に再び立ち上がるのか、３２歳が大きな決断を下す。

スポーツ報知より