2014年11月21日(金曜日)08時51分 配信
2020年東京五輪に向けた選手強化に取り組む日本水泳連盟(鈴木大地会長)は20日、高地トレーニング用プールの建設候補地は県内が最適だとして、国へ施設整備を働きかけるよう求める要望書を阿部守一知事に提出した。誘致に積極的な東御市の検討委員会に同連盟も加わって、湯の丸高原への整備に向けた基本計画案がすでにまとまっており、今回の要望を機に同市への誘致活動が本格化しそうだ。
鈴木会長によると、競泳陣の選手強化の切り札として高地トレーニングが重視されるようになった1984年のロサンゼルス五輪を契機に、米国や中国、スペインなどで高地トレーニングを行ってきている。しかし、高額な費用負担や長時間の移動に伴う体調管理、食文化などの違いなどが大きな障害になっている。
県内では、東御市が誘致に積極的な動きをみせており、検討委が標高1750メートルの地点に50メートルと25メートルのレーンを持つプールを整備する基本計画案をまとめた。建設費は概算で約40億円を見込んでいる。
県庁を訪れた鈴木会長は、要望書を阿部知事に手渡し、「選手の安全面などを考えると、国内に高地トレーニング用プールがあることが望ましく、最適地は長野県。(競泳陣は)国際大会でいい成績を出しているが、最終的な目標は東京五輪のセンターポールです」と述べ、同連盟などとともに県が国に要望活動を行うことなどを求めた。
これに対し、阿部知事は「大変光栄なこと。県全体が山岳高原の県として特色を生かせる。具体的な話を聞かせていただきながら、対応していきたい」と、前向きな考えを示した。
同連盟は19日に文部科学省に対して、県内への施設整備を求める要望書を提出している。鈴木会長は取材に対し、東御市への誘致活動について「安全な環境の中で医療態勢も充実しており、水泳界としても積極的にコミットしていくことになった。長野県は東京からも近く適地だ」と語った。
産経新聞より