2014年4月12日(土曜日)09時59分 配信
◆競泳 日本選手権第2日(11日、東京辰巳国際水泳場)
女子50メートル平泳ぎで、ロンドン五輪でメダル3個を獲得した鈴木聡美(23)=ミキハウス=が31秒30で、自身の日本記録を3年ぶりに更新した。
強い鈴木聡美が帰ってきた。50メートル平泳ぎ決勝。スピードレースを終始引っ張って真っ先にゴールした。ゴーグルを取って電光掲示板を確かめると「日本新記録」の文字が浮かんだ。31秒30。自身の記録を3年ぶりに塗り替え、ド派手なガッツポーズ。「日本新を出せて素直にうれしい」と笑顔がはじけた。
消えかけていた輝きを取り戻した。12年ロンドン五輪では女子200メートルの銀など、日本女子の1大会では最多となる3個のメダルを獲得。美女スイマーとしても注目された。だが、山梨学院大を卒業した昨季は、練習不足や生活の変化もあり、バルセロナ世界選手権で結果を残せなかった。
失意の中、寺川綾さんらロンドンでメドレーリレーを組んだ仲間3人が昨季で引退。「私が引っ張らないと」と1日に1万5000メートルを泳いだほか、練習相手の男子選手を北京、ロンドンの2大会連続女子200メートル金メダルのレベッカ・ソニ(米国)に見立ててイメージトレーニング。「つらくても先につながると信じた」
前日の100メートルで若手の渡部香生子(JSS立石)に敗れた。「不安もあった」という中での日本新。「ロンドンが100なら、今は65~70くらい。2年後、また100以上にできたらいい。その前に200メートルも気持ちを切り替えていきたい」。13日の200メートルで勝利した時、鈴木のリオへの道筋ははっきりと見えてくる。(遠藤 洋之)
◆鈴木 聡美(すずき・さとみ)1991年1月29日、福岡・遠賀町生まれ。23歳。ミキハウス所属。4歳で水泳を始め、九産大付高から09年に山梨学院大へ進学。同年の日本学生選手権100メートル平泳ぎで1分6秒32の日本記録を樹立。50メートル、200メートル(タイ)も日本記録保持。ロンドン五輪では100メートル銅、200メートル銀、400メートルメドレーリレー銅と3つのメダルを獲得。168センチ、62キロ。
スポーツ報知より