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東京五輪「特需」期待の建設・不動産 インフラ整備、選手村建設など各社商機

2013年9月10日(火曜日)08時42分 配信

東京五輪の決定で、今後、五輪施設のほか、鉄道網や高速道など「東京を中心に社会インフラの整備・更新が促進される」(宮本洋一・清水建設社長)見通しだ。前回(1964年)の東京五輪では戦後復興の意味も含め首都高速や東海道新幹線など主要インフラが整備されたのに対し、今回は「東日本大震災の復興に取り組む姿を世界に示す絶好の機会」(木村恵司・不動産協会理事長)といえ、安倍晋三政権が唱える「国土強靭(きょうじん)化」計画を踏まえたインフラの老朽化対策などが焦点になる。

五輪特需の恩恵が大きいのは建設・不動産業界だ。東京都は2013~20年の経済波及効果が、建設業界に4745億円、不動産業界に1517億円と試算、両業界で全体の波及効果(約3兆円)の2割以上を占める。今回の五輪決定でインフラ関連工事が具体化し、各社の商機は増えるのは確実で「五輪成功へ貢献できることは惜しまない」(山内隆司・大成建設社長)とボルテージが上がっている。

五輪招致委員会によると、競技場や選手村の建設・改修に要する総工費は4554億円と見積もる。会場は前回の東京五輪で使われた施設を活用する「ヘリテッジ(遺産)ゾーン」と、新設競技場が多い臨海部の「東京ベイゾーン」の2群に分かれる。

「五輪スタジアム」は前回五輪のメーン会場だった国立競技場を、8万人収容の開閉式屋根を備えた全天候型に改築する。総工費は約1300億円を予定。19年3月の完成を目指す。

臨海部には2万人収容の「五輪水泳センター」が新設され、競泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミングの舞台となる。バスケットボールとバドミントンを行う「夢の島ユースプラザ」やバレーボール会場となる「有明アリーナ」も誕生し、東京の新たなスポーツ拠点となる見通しだ。

選手村(東京都中央区晴海)は、約1万7000のベッドを備えた複数の居住棟の建設が計画され、五輪終了後は分譲マンションなどに生まれ変わる予定だ。都は早ければ14年度に事業者を公募選定する。東京湾岸部で競うようにマンションの開発を進める各社にとって「垂涎(すいぜん)の的」(不動産大手)の案件になる。

また、国際化をにらんだ新しい東京のまちづくりにも弾みがつきそうだ。

三菱地所の杉山博孝社長は丸の内エリアを中心に「アジア各都市との競争が激しくなる中、海外企業が活躍できる環境整備などで東京の競争力を向上させる」と強調。森ビルの辻慎吾社長も六本木や虎ノ門で「新たな都市モデルを世界に提示する」と今後のまちづくりに意欲を示す。

不動産経済研究所などの官民有志による研究会は9日、東京再生へ「新幹線の羽田空港乗り入れやカジノ誘致」とユニークな提言を発表した。

SankeiBizより

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