2013年7月26日(金曜日)09時14分 配信
国際水連は25日、バルセロナで開いた総会で競泳平泳ぎのルール改正案を否決した。スタート直後に限って自由形やバタフライと同様に15メートルまで潜水でき、その間、複数回のバタフライキックを認めるとした理事会案に、反対意見が相次ぎ、採決した結果、反対多数となった。これで、スタート後、ターン後とも、1かき、1けりの動作の間に、1回以内のバタフライキックという現行ルールが維持された。
もともと改正提案の発端となったのは、昨夏のロンドン五輪男子100メートル平泳ぎを世界記録で制したキャメロン・ファンデルバーグ(南アフリカ)が「3回ドルフィンキックを使った。他の選手もやっている」と告白したからだった。実際、水しぶきが上がるスタート時、審判が水中の脚の動きを判定するのは難しいと指摘されていた。
しかし、バタフライキックは平泳ぎのけりと大きく異なるだけに、総会では「泳ぎ方の大義を変えてしまう」(カナダ代表者)といった意見が相次いだという。
平泳ぎをお家芸とする日本にとっては“朗報”といえる。バタフライキックは体格が良く、パワーのある海外勢が有利とみられていたからだ。五輪2大会連続2冠の北島康介(日本コカ・コーラ)や、男子200メートル世界記録保持者の山口観弘(東洋大)を指導する平井伯昌ヘッドコーチも反対を表明していた。(青山綾里)
産経新聞より