2013年7月20日(土曜日)08時57分 配信
2年に一度行われる水泳の世界選手権が20日、10年ぶりにスペインのバルセロナで開幕する。メダルラッシュが期待される競泳は28日にスタート。低迷脱却を誓うシンクロナイズドスイミングは20日から、ソロの予選・決勝とチームのテクニカルルーティン(TR)予選を行う。
■競泳
メダルラッシュが期待される競泳陣は19日、バルセロナ近郊のカレーリャで直前合宿を公開。複数種目でメダル獲得を目指す萩野公介(東洋大)らが開放的な屋外プールで、勢いよく水しぶきをあげた。
萩野は男子200メートルと400メートルの個人メドレー、100メートルと200メートルの背泳ぎ、200メートルと400メートル自由形の6種目に登録。予選、準決勝、決勝を数えると最大16レースになり、さらにリレー種目が加わる可能性も。日本選手としては前人未到の挑戦となるが、周囲の心配をよそに「ワクワクしている。世界とどこまで戦えるのか楽しみ」と意気盛んだ。
最も力点を置いているの、昨夏のロンドン五輪で銅メダルを獲得した400メートル個人メドレー。ロンドンを制したライアン・ロクテ(米国)が同種目での出場を見送っただけに、金メダルの可能性も十分で、平井伯昌ヘッドコーチも「狙っていきたい」と話す。
10年前の2003年、男子平泳ぎの北島康介(日本コカ・コーラ)が100メートル、200メートルともに世界記録で優勝した思い出の地で、18歳の新エースが水泳ニッポンの新しい歴史を刻む。
■シンクロナイズドスイミング
ロンドン五輪は全種目5位。一度決まった格付けが大きく影響する採点競技だけに、印象を覆すのは容易ではない。各国で選手が入れ替わり指導体制も変わった今夏は、日本にとって「序列」を崩すチャンスと位置づけている。
08年北京五輪後、代表8人全員が引退。ゼロから出発した4年間とは対照的に、ロンドンの悔しさを知る7人が残った。5月のジャパン・オープンのチームフリー(FR)をロンドンと同じ演目で挑んだ日本は、若返りを図ったスペイン(ロンドン五輪銅)と同得点で肩を並べた。
世界選手権はTRとFRを分けて争う。ジャパン・オープンは自国開催だったとはいえ、FRだけでも「世界3強」に届いた事実は世界に伝わっている。
元日本代表監督の井村雅代氏が中国(ロンドン五輪銀)を離れ、英国のコーチに就く動きなどもあった。審判員に強い印象を残す日本の表彰台復帰へ向け、本間三和子シンクロ委員長は「チャンスがある」と手応えを口にしている。
産経スポーツより