2013年5月25日(土曜日)08時46分 配信
競泳のジャパン・オープンは24日、相模原市立総合水泳場で開幕した。県勢は、女子200メートル自由形で日大藤沢高3年の五十嵐千尋(横浜サクラ)が日本高校記録に0秒06と迫る1分59秒51の好タイムで優勝。同100メートル背泳ぎの赤瀬紗也香(川崎北高-日体大)は1分0秒68で2位に入った。
立石諒(ミキハウス)は、北島康介(日本コカ・コーラ)が制した男子100メートル平泳ぎで3位に終わった。200メートルで世界記録を持つ山口観弘(東洋大)は7位だった。
男子100メートル背泳ぎは入江陵介(イトマン東進)が53秒36で勝ち、4月の日本選手権で入江に勝った萩野公介(東洋大)は54秒15で3位。
女子は100メートル背泳ぎを寺川綾(ミズノ)が59秒50で制した。200メートルバタフライは星奈津美(スウィン大教)が、100メートル平泳ぎは鈴木聡美(ミキハウス山梨)が優勝した。
◆誕生日に会心レース
世界選手権の初代表をつかんだ勢いのままに、女子自由形ホープの五十嵐が、初日の200メートルで快勝。18回目の誕生日のこの日に、日本高校記録の更新を狙っていたが、あと0秒06届かず。三重の喜びとはいかずとも、「1番でここに立ててうれしい」と表彰台の上で笑った。
レース運びは完璧だった。前半は隣の4コースを泳ぐ上田(キッコーマン)を目標に食らいつき、得意のラスト50メートルに勝負を持ち込む。
0秒45差で最後のターンをすると、残り20メートル付近で抜き去り、逆に0秒42差をつけた。200、400メートルの自由形2冠に輝いた4月の日本選手権を思わせる内容で、代表4人が泳いだレースの主役を張った。
「精神面が弱い」と、ときに気弱な面ものぞかせる高校3年生。そんな五十嵐の気持ちを燃やしているのは、日本代表としての誇りだ。
「世界選手権では失敗できない。今は大きな目標がある」。昨年4月の日本選手権。この種目で五輪代表を得られる4位に0秒27及ばず泣いているだけに、思いはなおのこと強い。
「いつも悔しい思いばっかり。しっかり練習を積んで(世界選手権がある)7月に備えたい」と五十嵐。この日一つ年を重ねたように、成長の階段を一つまた登った
神奈川新聞より