2013年5月25日(土曜日)08時44分 配信
「競泳ジャパンオープン2013・第1日」(24日、相模原市立総合水泳場)
男子100メートル平泳ぎなどが行われ、7月のバルセロナ世界選手権にリレー代表として選出されている北島康介(30)=日本コカ・コーラ=が1分00秒44で優勝し、個人種目での出場も濃厚となった。同200メートル世界記録保持者の山口観弘(18)=東洋大=は7位。同100メートル背泳ぎはロンドン五輪メダリストの入江陵介(23)=イトマン東進=が、53秒36で優勝。日本選手権5冠の萩野公介(18)=東洋大=は、3位に終わった。
イメージ通りの泳ぎとはいかなくても、役者が違った。予選トップ通過の北島は、決勝でも貫禄の泳ぎを披露。レース序盤から主導権を握り、首位で50メートルを折り返すと、その後もロンドン五輪代表の立石、200メートル世界記録保持者の山口を寄せ付けない完勝で、4月の日本選手権に続いて国内大会100メートルで連勝を飾った。
優勝タイム1分00秒44は、今季自己ベスト。59秒台を目標にしていただけに「もうちょっと速く泳げた気持ちがある。少し動きが鈍かった。ショックはショック」と悔しさが先に立ったが、約1カ月の米国合宿から帰国したばかりで、まだ時差ぼけも残る状態。それでも驚異的な底力で、いまだ国内敵なしを証明した。
これで、最低限の目標だった世界選手権の個人種目での出場を大きく手繰り寄せた。日本選手権では個人種目で内定を得ることができず、現状で世界選手権はリレーメンバーとしての選出。前日に平井ヘッドコーチから「リレーメンバーのやつは、結果出さないと、頑張らないと個人はないぞ」とハッパを掛けられていただけに、「切羽詰まってたよね。でもこれで権利はもらえると思う」と、ホッとした表情で話した。
勝負強さを見せる愛弟子に、平井ヘッドコーチも「(個人種目での出場の)可能性は高くなった」と認めた。
04年アテネ、08年北京と五輪2大会連続2冠。昨年のロンドン五輪では個人種目無冠に終わり、衰えを指摘する声もあるが、まだまだ野心は尽きていない。「去年(ロンドン五輪で)惨敗しているんでね。もう一度、世界で勝負を懸けてみたい気持ちがある」。日本競泳界の“キング”が、再び世界の頂を狙う。
デイリースポーツより