2013年5月25日(土曜日)08時43分 配信
競泳のジャパンオープン初日が24日、神奈川・相模原のグリーンプールで行われ、男子100メートル背泳ぎは、入江陵介(イトマン東進)が53秒36で優勝した。4月の日本選手権で史上初の5冠を達成した萩野公介(東洋大)は、54秒15で3位。敗れた萩野は「これがいまの自分の実力。調整力不足です」と肩を落とした。
前人未到の5冠を成し遂げた日本選手権から1カ月弱。ジャパンオープンでも4冠(100メートル背泳ぎ、400メートル個人メドレー、100メートル自由形、200メートル個人メドレー)が期待される萩野が、初日からつまずいた。この日は予選から何かおかしかった。泳ぎがかみ合わず、スピードが上がらない。萩野も「動きはいまいち。テンポが良くなかった」と全体4位での通過となった。
「このままでは入江さんと勝負にならない」と迎えた決勝も、その不安は的中。終始リードを許した萩野は、得意のバサロキックでも差を詰めることができなかった。
大会前から、コンディションの悪さは伝わってきていた。ピークを日本選手権に持ってきたことに加え、大学生活も本格的にスタート。勉強との両立、慣れない寮生活など新しい環境において、肉体的・精神的な疲労が蓄積していた。また18日には右肩に張りを覚えており、直前まで出場できるか分からない状態だった。萩野自身もそれを自覚していたからか、大会前から「勝負にはこだわるけど、夏の世界水泳につながる泳ぎができれば」と、記録に関しては度外視する姿勢だった。しかし、結果は平凡なタイムで3位。結果も出すことができず、「コンスタントに力を出さないと世界では戦えない」と反省しきりだった。
状態が悪い中でも勝利することが、目標とするマイケル・フェルプスやライアン・ロクテ(共に米国)のようなマルチな選手には求められる。「こういうレースをしないように、気持ちや技術面を改善していきたい」と、残り2日間での巻き返しを誓っていた。
スポーツナビより