2013年4月13日(土曜日)09時54分 配信
◆競泳 日本選手権第2日(12日、新潟県長岡市・ダイエープロビスフェニックスプール) ロンドン五輪男子400メートル個人メドレー銅メダルの萩野公介(18)=東洋大=が、各競技の第一人者を破り3冠を飾った。男子200メートル自由形は1分46秒28で松田丈志(28)=コスモス薬品=を、同100メートル背泳ぎは53秒10で入江陵介(23)=イトマン東進=を撃破。どちらも自己記録を更新して日本水泳連盟の派遣標準記録も突破し、世界選手権(7月開幕・バルセロナ)への出場権も内定した。13日は400メートル自由形と200メートル個人メドレーで5冠を目指す。
2人の五輪メダリストも、20分間しかないインターバルも、萩野は難なく克服した。自由形は序盤に手のかきを抑える省エネ泳法ながら、松田に0秒84差をつけて勝利。背泳ぎは強化してきたスタートを決め、猛追する日本記録保持者の入江を0秒23差で振り切った。 日本選手権史上初めて異なる種目での3冠を達成。「1番タフな日だった。何とか乗り越えられてホッとしている」。午前中は予選2レースで1位通過の力泳。初日は400メートル個人メドレーの予選と決勝を泳ぎ、日本記録で優勝した。
東洋大水泳部で萩野を指導する平井伯昌・日本代表ヘッドコーチ(HC)は「短いインターバルで力を出すのは、今までの萩野くんにはできなかった。大きな一歩」と評価し、「峠は越した」と6冠を期待した。200メートル自由形でロンドン五輪6位、100メートル背泳ぎで同5位に相当する記録。松田も「日本の常識が通用しない。枠にはまらない泳ぎ」と脱帽した。
東洋大進学を決めた昨秋は、まず得意の個人メドレーを極める考えだった。だが、松田らトップ選手と練習して急成長。3月のオーストラリア遠征では5種目に出場し、4種目で高校記録を樹立。400メートル個人メドレーと200メートル背泳ぎの間が7分しかない過酷なレースも経験し、自信を得た。
以前は線が細かったが、ロンドン五輪までの2年間、母の貴子さん(49)が栄養士の指導で1日平均4000キロカロリーという食事を徹底し、体格が向上した。「食事の大切さは分かったと思う」と母。この日も午前の予選後に2時間ほど眠り、炭水化物や水分を多くとって準備を整えた。
08年北京五輪で史上最多8冠のM・フェルプス(米国)のような複数種目での活躍を目指す18歳。「20分しかないから無理だという考えを捨てて、20分もあると思って泳ぐようにしている」。残り3種目。6冠も射程圏だ。
スポーツ報知より