河本「名誉回復」２冠／競泳

2013年2月25日（月曜日）10時04分 配信

＜競泳：短水路日本選手権＞
最終日2月２４日◇神奈川・相模原市立総合水泳場

　長水路（５０メートルプール）の男子１００メートルバタフライ日本記録保持者の河本耕平（３３＝新潟県水連）が２冠に輝いた。男子１００メートルバタフライで５１秒１３を出し、第１日の５０メートルに続き優勝を飾った。昨年９月、詐欺容疑で逮捕されたが、嫌疑不十分で不起訴になった。将来への不安なども感じていたが、昨年１１月から本格的に練習を再開。今回の２冠で日本記録保持者の「名誉回復」に成功した。

　夢じゃない。男子１００メートルバタフライ。河本はロンドン五輪代表の松田らを抑えて先頭でゴールした。数カ月前には考えられなかった現実に、長水路の日本記録保持者は「日本チャンピオンに返り咲くことができた」と満足げにほほ笑んだ。

　昨年９月、詐欺容疑で逮捕された。身に覚えのないことだったが、逮捕の事実は重く、将来の不安が渦巻いた。心の支えはやはり水泳だった。落ち込んでいても地元新潟・長岡のプールに行くと元気になれた。同１１月、嫌疑不十分で不起訴になると、１日５時間の練習を再開した。

　地元の新潟県連盟の支援も受けた。指導を受ける大桃正隆専務理事（６３）からは「ビッグイベントに出て結果を出すしかない」と叱咤（しった）。河本は「日本のトップの大会に復帰すると思って頑張ってきた」と苦闘の日々を振り返った。

　４月には地元長岡で７月の世界選手権（スペイン）選考を兼ねた日本選手権が開催される。「ステップは踏めた。次は地元で世界選手権の代表権を取る」。世界の舞台に立って、ズタズタにされた日本記録保持者のプライドを取り戻す。

日刊スポーツより