2012年12月30日(日曜日)16時19分 配信
この夏のロンドン五輪カヌースラロームカヤックシングルで9位に入った矢沢一輝(23=山田記念朝日病院)が引退し、僧侶の道を目指すことが分かった。
矢沢は飯田市出身。ジュニア時代からカヌー界のホープとして活躍し初出場した08年の北京五輪は18位だった。さらなるレベルアップを期したロンドン五輪では同種目で日本勢初の決勝進出。1桁順位に食い込む健闘を見せた。
県関係者によると、矢沢は2度目の五輪を最後に日本代表レベルの競技活動に区切りをつけることを決断。セカンドキャリアとして僧侶の道に進むことを選んだという。相談に乗ったのが県カヌー協会の小山健英会長(65)だった。
カヌー競技は仏教界の人材が多いが、長く県内の競技力向上に尽力してきた小山会長も善光寺一山寿量院の住職を務めている。矢沢も幼い頃から同院で過ごすことが多く、「小さいときから、お寺のことは身についたと思う」と同会長は語る。ただ、一般人が僧侶になるケースは珍しく、小山住職自身が関わるのも「3人目」だという。
矢沢は年明け1月6日に善光寺大勧進で出家するための儀式、得度(とくど)式に臨む。小山住職の弟子となり、7月からは比叡山延暦寺で行(ぎょう)に入るという。
スポニチアネックスより