2012年12月14日(金曜日)09時26分 配信
■有望な若手勧誘/社会人の受け皿
ロンドン五輪で、戦後最多の11個(銀3、銅8)のメダルを獲得した競泳陣。だが、平井伯昌日本代表ヘッドコーチ(49)は「たとえ銀を10個取っても金1個にはかなわない」と厳しい。だからこそ4年後へ向けた「金メダル」構想の実現を期している-。
来春から東洋大に指導の場を移す平井コーチ。これまでのスイミングクラブ(東京SC)と比べて「若手有望選手の勧誘がしやすい」ことが第一のメリット。そしてもう一つ、社会人選手の“受け皿”として同大施設などを利用したクラブチームの立ち上げを描く。
海外では大学に社会人のチームを作る強化策は一般的。2008年北京五輪以降、世界屈指と呼ばれる南カリフォルニア大のチームに所属した元教え子の北島康介(日本コカ・コーラ)からも情報収集し「選手寿命が長くなった今、日本でも現役を続けられる環境整備が必要」と考えている。
来春、東洋大にはロンドン五輪男子400メートル個人メドレー銅メダルの萩野公介(御幸ケ原SS)や男子200メートル平泳ぎ世界記録保持者の山口観弘(志布志DC)が入学してくる。平井コーチは「対世界」を見据え、日本のトップ選手を抱える他大学との合同練習も積極的に行いたいとしており、クラブチーム化が実現すれば、さらに現役続行を決めた同五輪男子200メートルバタフライ銅メダリストの松田丈志(コスモス薬品)や、同女子100メートル背泳ぎ銅メダルの寺川綾(ミズノ)らとの練習も可能になる。
「今まで所属ごとにバラバラだった強化を、ある程度一カ所に集中できれば、JOCからのサポートも含めてやりやすくなるのではないか」と平井コーチ。実現が楽しみな“私案”だ。
産経新聞より