山口「勝負にこだわる」　リオの星、世界挑む　競泳Ｗ杯東京大会　あす開幕

2012年11月5日（月曜日）09時49分 配信

９月の岐阜国体競泳男子２００メートル平泳ぎで世界記録を樹立した新鋭・山口観弘（あきひろ）＝志布志ＤＣ＝が、１１月６、７日に行われるワールドカップ（Ｗ杯）東京大会（東京辰巳国際水泳場）で世界戦デビューを果たす。
　世界各地を転戦するＷ杯は短水路の２５メートルプールで争われる賞金大会。ロンドン五輪メダリストでは、男子１００メートル平泳ぎ２位のクリスチャン・スプレンガー（豪州）が東京への参加を表明している。
　山口の最大の武器は後半の追い上げ。圧巻のテンポで伸びていく。国体の残り５０メートルは、五輪で世界記録を出したダニエル・ジュルタ（ハンガリー）より０秒８９速く、憧れの北島康介（日本コカ・コーラ）の日本記録を一気に塗り替えた。わずか１年で自己ベストを４秒６５も短縮。それでも「前半から入れていない。まだ自分の泳ぎは未完成」と自戒を込める。
　今はスタート、ターン技術の改善にも力を入れており、長水路（５０メートル）に比べてターン回数が多い短水路のＷ杯は、現在の技量をはかる絶好の機会だ。「どれぐらい通用するか。ひとかきひと蹴り（ターン後の水中動作）が多くて苦しいので、体力が試される」
　来夏、バルセロナで行われる世界選手権を見据え、日本水連は山口を「メダル候補」に指定し、冬場の合宿費を補助することを決めた。「来年はタイムより勝負にこだわりたい」と１８歳。このＷ杯で世界との戦いが幕を開ける。（青山綾里）

産経新聞より