2012年10月31日(水曜日)13時16分 配信
新記録ラッシュが、世界選手権切符につながるか。短水路(25メートルプール)で争う競泳のワールドカップ(W杯)は中東、欧州シリーズを終え、転戦していた埼玉栄高3年の18歳、瀬戸大也(だいや)=JSS毛呂山=が、出場した5大会で日本新記録2、高校新記録5(いずれも短水路記録で自己更新を含む)と新記録を量産した。帰国した瀬戸は「いろんな種目に出て自信になった。もっと強くなりたい」と語った。
同学年でもある栃木・作新学院高の萩野公介(御幸ケ原SS)がロンドン五輪で銅メダルを獲得した男子400メートル個人メドレーが得意で、W杯は5戦全勝。ストックホルム大会(13日)で4分0秒85の日本新を出すと、1週間後のベルリン大会で4分0秒12をマークしあっさり更新。今月上旬のドバイ、ドーハ両大会では、専門外の100メートル、200メートル平泳ぎ、200メートルバタフライでも高校新記録を連発した。
同五輪男子200メートルバタフライ金メダルのチャド・レクロー(南アフリカ)が昨年大会で多くの種目に出場していたのに刺激を受けたという。瀬戸自身も昨年のW杯は好調で、五輪出場の期待が高まったが、今年4月の日本選手権で落選。「今年のメーンレースは国体、W杯、世界短水路(選手権)」と気持ちを切り替え、9月の岐阜国体では男子400メートル個人メドレーで日本歴代2位の好タイムをマークした。
瀬戸を指導する梅原孝之コーチは「国体で吹っ切れたのが大きい。自信をもってW杯に臨むことができたのが成果につながった」と分析する。「レースが続くと練習量が減る」との課題には、急きょ1500メートル自由形にエントリーして練習量を補うなど、自らの創意工夫も評価する。
短水路では結果を残したとはいえ、主戦場はやはり長水路(50メートルプール)大会。来年の世界選手権(バルセロナ)につながる4月の日本選手権に向け、新星は「さすがに今回は(代表を)外せない。冬にしっかりと泳ぎ込む」と決意を込めた。
毎日新聞より