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金メダリストがモータースポーツに転身

2012年8月27日(月曜日)00時10分 配信

 入江陵介(イトマン東進)がライアン・ロクテ(米国)を下して金メダルなるか−が期待されたロンドン五輪競泳男子200メートル背泳ぎ決勝。8月2日(日本時間3日未明)に行われたレースを眠い目をこらして観戦された方も多いだろう。

 結果、入江は銀メダル。23歳の伏兵、タイラー・クレアリー(米国)が五輪新記録をマークして金メダルをさらったのだが、このクレアリーが金メダル獲得後のインタビューで、競泳引退後にモータースポーツに転向する意向を表明した。

 「本気なのかい?」と聞かれて「百パーセント、本当だよ」と答えたクレアリー。「競泳を引退したらレースカードライバーになりたいと真剣に考えているんだ。この話をすると、聞いた人は笑ったり驚いたりするんだけど、僕は本当にうまくやれると知っているんだ」

 子供の頃から家族で、大馬力のオフロード車に乗って砂漠に遊びに出ることが多く、「エンジンやギアの音がいつも自分のそばにあった」。所属した水泳クラブの一つがカリフォルニア州フォンタナのオートクラブ・スピードウエーで物販のブースを運営していたことから、「NASCARのレースを数え切れないほど見に行ったし、ドライバーズシートに座りたいとずっと思っていたんだ」という。

 昨年はオフロードレースのチームに加入し、メカニックやピット作業など「運転以外の仕事はほとんどすべてやり、いろんなことを教わった」。五輪へ向けた準備に専念するためチームを離れたが、「その経験をすべて生かし、前に進みたいと思っている」と希望を口にする。

 金メダル獲得により、レースドライバー転身までのスケジュールは狂ったのか? その質問に「答えるのは難しいね。何しろ(金メダル獲得で)それまで以上に(水泳への)モチベーションが高まったからね」とクレアリー。「でも本当に、競泳を引退したら努力するつもりだ。そのときのために、数年後には可能な限り経験を積み上げる考えなんだ。そうすれば僕が口だけじゃないってことが分かると思う」と言い切る。すでに北米最大のスキップ・バーバー・レーシングスクールの経営者と会い、特別プログラムを紹介されたとも話している。

 「F1に乗れればいいね。でも僕は車に乗れればハッピー。インディカーでもラリーでもストックカーでもオフロードレースでも、何でも素晴らしいよ。僕はレースへの情熱があり、本当にやりたいんだ」。23歳の金メダリストは“セカンドキャリア”に胸を膨らませている。

 五輪競技のトップ選手からモータースポーツに転身した成功例としては、スキー・アルペンのW杯総合王者から2006年ダカール・ラリーを制したリュク・アルファン(フランス)がいる。

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