2012年8月20日(月曜日)10時14分 配信
全国高校総合体育大会第23日は19日、新潟・ダイエープロビスフェニックスプールなどで行われ、競泳男子200メートル背泳ぎでロンドン五輪400メートル個人メドレー銅メダルの萩野公介(栃木・作新学院)が高校新記録の1分55秒81をマーク、400メートル自由形に続いて優勝した。女子100メートル自由形は同五輪代表の内田美希(群馬・関東学園大付)が55秒46の大会新記録で勝ち、50メートルとの2冠を果たした。男子400メートル個人メドレーは、瀬戸大也(埼玉栄)が4分14秒61で3連覇を遂げた。
底知れぬ可能性を見せつけたレースだった。男子200メートル背泳ぎで、ロンドン五輪銅メダルの萩野が、入江陵介(イトマン東進)が持っていた高校記録を0秒72更新して貫禄勝ち。「(1分)56秒台どころか55秒台まで出てすごい幸せ」と、観客席に向かって笑顔で拳を突き上げた。
この日は、五輪で銅メダルを取った400メートル個人メドレーではなく、4泳法の中で最も得意な背泳ぎを選択。「気分転換のつもりで、どれだけついていけるか試したかった」。だが、最初の50メートルこそライバルたちと競ったものの、後半はほぼ一人旅。最後は2位に3秒近い大差を付けた。
レース前の選手紹介では、全選手で唯一「ロンドン五輪銅メダリスト」とアナウンスされた。「すごい声援だった。55秒台のタイムで恩返しができてよかった」と萩野。だが、「150メートルのターンを失敗し、ラスト15メートルは遅かった。まだまだ改善点がたくさんある」とも話し、浮かれた様子を全くみせない。
五輪では「フェルプス、ロクテと戦えて幸せ。楽しくて、すごい夏休みでした」と語った。20日に銀座で行われるメダリストのパレードに参加し、月末にも大会出場をこなす。「すごい夏休み」はまだまだ終わらない。
男子400メートル個人メドレーで3連覇を達成した瀬戸は「運良く3連覇ができた。高校3年間でお世話になった人たちに結果で返すことができてよかった」と謙虚に語った。同学年の萩野とロンドン五輪出場を争っていたが、代表選考会で惜しくも敗退。五輪中継は、練習への影響などを考慮してほとんど生放送では見なかったが、萩野が銅メダルを取ったこの種目だけはライブで視聴した。「自分の位置が分かった。(萩野と)ちょっと離れてしまったけど、また切磋琢磨(せっさたくま)したい」と闘志を胸に秘める。五輪を逃したショックからまだ完全に立ち直っていないというが、「4年後に向けて、自分が苦手な練習をコツコツやっていきたい」と、捲土(けんど)重来を誓った。
女子200メートル背泳ぎで神村が、ロンドン五輪代表の大塚美優(埼玉・武南)を破って優勝。75メートル付近で大塚をかわし、そのまま逃げ切った。「久々に(2分)10秒台を切れたのでホッとしているが、ベストは2分8秒52。悔しい」。1年の時にパンパシフィック選手権(米国)日本代表に選ばれるなど注目されたが、その後は伸び悩んだ。だが、この日は「前半で遅れても焦らず、粘りのレースができた」と、復調への自信を実らせた。
今回のインターハイは大会新、高校新が出て盛り上がっています。