2012年8月18日(土曜日)10時01分 配信
報奨金1000万円――。誰もがうらやむご褒美を手にしたのがロンドン五輪競泳選手の松田丈志(28)だ。200メートルバタフライで銅メダル、400メートルメドレーリレーで銀メダルに輝き、日本中を沸かせたことは説明の必要もないだろう。
その松田に1000万円をプレゼントするのは彼が所属する「コスモス薬品」(本社・福岡市)である。同社は東証1部上場だが、一般にはなじみが薄い。というのも西日本が拠点のドラッグストアだからだ。
コスモス薬品は東京薬科大学出身の宇野正晃氏(65)が一代で起こした会社。宇野氏は1973年に個人経営の薬局を開業。調剤薬局や漢方薬局などを出店するかたわら、単価の安い「ディスカウントドラッグコスモス」を展開して急成長した。
九州と四国、中国地方の3地域に出店し、今年7月末時点で全463店。正社員(1864人)とパートを含めて1万2676人の従業員を抱える。西日本で規模はトップだ。今年5月期の売上高は2790億円だった。
松田とは2010年10月に契約をし、金銭的な支援を続けてきた。
「松田選手は不動産会社との契約が終了し、サポートを要請する手紙を600社に出したのですが、そのひとつが弊社でした。弊社はチラシ以外は広告宣伝費を使わない方針ですが、松田選手が弊社の社長と同じ宮崎県延岡市出身ということもあって支援を決定。アジア大会の金メダルや世界水泳の銀メダルにも報奨金を出しました。今回の報奨金は1日に銅メダルを取った際に社内で相談して1000万円という金額を決めました」(同社経営企画部の柴田太部長)
報奨金は9日に松田が五輪の報告のために来社した際に目録を手渡したという。同社は今後も松田が現役を続けるなら支援する意向だ。
これでは当分引退できない?
(日刊ゲンダイ2012年8月14日掲載)