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厳格な規準がメダルの可能性を奪う!

2012年4月16日(月曜日)19時53分 配信

以下の記事が出ていた。選考基準については、色んな意見や考え方があるとは思います。
オリンピック標準記録も基本世界ランキング16位なので、そんなにきつくない記録。
しかし、生島先生が言うように、未知数な選手の力を本番オリンピックで発揮する機会は少なくなる。
この問題を書けることが素晴らしいと思います。
言ってはいけない問題。
水泳業界内にあるのは間違いない。
色んな意見を出し合い、その中で決定していけばいいと思う。
しかし、もう少し緩くして、ひとりでも多くオリンピックに連れていってほしいと願います。

zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120416-00000004-number-spo
Number Web 4月16日(月)19時4分配信 YAHOOより

厳格な規準がメダルの可能性を奪う!? 競泳で考える五輪代表の選考方法。

日本選手権で優勝したのに、これほどまでに落胆し、涙する選手たちがいる大会はない。
4年に一度、オリンピック代表選考会を兼ねる競泳の日本選手権は悲喜こもごもの大会となる。
競泳の場合、選考基準が明確で上位2位までに入り、なおかつ日本水泳連盟が定めた「派遣標準記録」を突破することがオリンピック代表に選ばれる条件となる。
だから優勝しても派遣標準記録が突破できないと、選手たちはがっくりと肩を落とすことになる。
最終日も男子1500m自由形で山本耕平(鹿屋体育大学)が、わずか0秒55、女子200m背泳ぎでは酒井志穂(ブリヂストン)が0秒13届かなかった。山本はミックスゾーンでの記者の取材に、「体が重くて」と話しながら、時々、言葉に詰まってしまった。聞いている方も、つらい時間だった。

■“暗黙のルール”を排除する契機となった千葉すずの提訴。
派遣標準記録が厳格に運用されるようになった経緯は、2000年に遡る。シドニー・オリンピックの選考会で女子200m自由形の優勝者・千葉すず、男子100m背泳ぎで勝った大石隆文が代表に選ばれなかった。
これを不服とした千葉すずは「スポーツ仲裁裁判所」(CAS)に仲裁を申し出て、その結果、CASが日本水泳連盟に対し「選考基準が曖昧だった」として訴訟費用の一部負担を申し渡している。
それまでは「日本選手権で2番以内に入れば代表は内定」というのが暗黙のルールだったと思うが、この裁定がきっかけとなって記録が重視されるようになった。
当初、私はこの方向性に反対だった。世界選手権、オリンピックへの出場は選手を大きく成長させる意味合いがあるからだ。オリンピックで敗れた経験が次の大会へのメダルにつながる例を何度も見てきたからである。鈴木大地、北島康介にしても、最初のオリンピックで戦えなかった悔しさがあり、それが次のステージへと飛翔するきっかけとなったのである。
2枠あるのに、それを使わないのはもったいない──。そうした考えを持っていた。

■現在の選考基準なら岩崎恭子の金メダルは幻だった!?
それに1992年、選考会の女子200m平泳ぎで2位に入った選手が、数カ月後のオリンピックで金メダルを取った例がある。
岩崎恭子だ。
もし、当時、厳格な派遣標準記録が定められていたとしたら、彼女は代表に選ばれなかったかもしれない。中学生、高校生は数カ月で飛躍的に記録を伸ばす可能性があるのだ(突如、ナショナルレベルのコーチングを受けて才能が開花する)。
派遣標準記録を重視する姿勢は、こうした可能性の芽を潰してしまっているのではないか、というのが私の考えだった。

■派遣標準があるからこそ世界で戦える──という考え方。
しかし、選手の強化にたずさわる現場のトップコーチたちに取材すると、派遣標準記録の設定に肯定的だ。
「派遣標準記録があるからこそ、世界レベルで戦えていることも忘れてはいけないよ」という意見が多く聞かれるのだ。
もし、記録が定められておらず、過去の慣例に従って上位2名が自動的にオリンピック出場、ということになったとしたら、全体的にレベルが下がりかねない。そうした危惧を抱いている。

派遣標準記録の設定がレベルを高めている種目も確かにある。平泳ぎだ。
北島が牽引してきたことも大きいが、男子では立石諒、女子では鈴木聡美、松島美菜、渡部香生子がハイレベルの記録で代表となった。また、代表入り出来なかった選手も派遣標準記録を突破しており、来年以降も十分に世界と戦える予感に満ちている。
一方で、男子自由形を見ると、派遣標準記録が日本記録を上回っている場合も少なくなく、初めから「諦めモード」に入ってしまい、なかなか強化が進まない。所属によっては、中学生レベルで自由形向きの選手がいたとしても、「自由形では世界が遠い」ということで、バタフライや背泳ぎを専門にしてしまう場合もある。

■選手の人生を考えると、柔軟な選考方法があっても……。
マラソンの選考に比べて、「競泳の選考はわかりやすくていい」という論調をよく聞く。
それでも競泳全般の強化という視点から見れば、必ずしもこれが完璧なシステムだとは思わない。
もっと柔軟に対応してもいいのではないか、とも思うし、種目によっては果たしてこの記録が妥当なのか、と思う場合もあるからだ。
そして何より、オリンピックに出場できるかどうかは、選手の一生を大きく左右する。可能ならば、ひとりでも多くの選手がオリンピックのプールで泳いで欲しい。
たとえば派遣標準を突破できなかったとしても、上位2位までに入った選手は、国際大会や5月に行われる「ジャパンオープン」で派遣標準記録を破れば代表に加える──そうした対応があってもいい気がする。
ミックスゾーンで選手の涙を見るたび、自分の考えが甘いのは承知しているが、こんなことを考えてしまうのだ。

(「スポーツ・インテリジェンス原論」生島淳= 文)

ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E5%B3%B6%E6%B7%B3

blog.livedoor.jp/j_ikushima/

 

 

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