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定番チャンネル

番組表



定番ちゃんねる 心に残る名レース

第2話

第1回マスターズチャンピオンシップ
男子50m自由形決勝

私は元スイマーです。

色々な名レースというのは今でも私の心の中に強く残っています。

オリンピック・世界選手権・インカレ・日本選手権など、ちょっと考えただけでたくさんありますが、あえて今回はマスターズチャンピオンシップ(以下マスチャン)の中から抜粋させていただきました。

特に50m自由形の決勝では長年忘れていた熱い心が一気に沸きあがりました。
私も現役をはなれて彼是8年が経ち、今ではターンをするのに苦しくなる位にお腹が出っ張ってきましたが未だに水泳が好きで泳ぎ続けております。
そんな私の話はさて置いて、私が燃えたマスチャン50自由形決勝ですが素晴らしいメンバーが残りホントにドキドキでした。

まずは優勝候補No1の山野順平選手この人です。デカイ体、豪快なストロークそして素晴らしいスタート、ど本命です。 浪速のディープ・インパクト

続いて、つい最近まで現役バリバリの加藤翔太選手。25mで惜敗だったので50mでは勝ってほしいなと期待していました。
マスターズ会のスピードスター西口幸仁選手、マスチャンの雰囲気に乗って一化けしそうな感じがしていました。
そして、JO・全中・インハイと200m自由形を制した清水一洋選手、しかし50mではちょっと厳しいかなと正直少し思ってましたが私自身が彼と一緒に泳いでいた事もあり応援していました。
また、そのほかにも南口選手・芦田選手・久留選手とそうそうたるメンバーです。

そんな中、よいよ決勝選手の入場です。クィーンの「フラッシュ」に乗って選手が登場し皆、真剣な表情で集中していました。
  手を挙げて声援に応えるもの、黙々と歩を進めるもの、笑顔で歩くものと様々ですが真剣さがヒシヒシと伝わってきて、なんか見ているこっちまで熱くなってきたのです。

様々なかたちで集中をしている選手の中で1コースの清水選手が異様な雰囲気をかもし出し、さすが幾度と全国制した選手の風貌です。
  そんな清水選手を見ていると「このレース一洋、取るんちゃうかな」とさえ、思わせます。

そして審判長の笛で選手がスタート台へあがり、観客も最高潮です。

そしてその大声援が一瞬静寂に変わります。
私も長年水泳をしていますがいつもこの静寂に鳥肌が立ちます。
「よ~い・・・   バン!」
一斉にスタート、浮き上がってまずは山野選手がリードし、加藤選手が続き、そのまま25mのターンこのまま二人のマッチレースかと思われましたが35mを過ぎた辺りから 両サイドの西口選手・清水選手が出てきたのです。
 
40mでは4名は全く横一線ですがやや加藤選手が遅れ始め、そのままなだれ込むように3名がゴールし肉眼では判断できません。 そして館内全員が電光掲示板に注目した瞬間。

 

「1位 1コース 24秒23」清水選手の優勝です。
清水選手のガッツポーズ!

それを見て観客も大興奮「ウォォッ~~~!」と言うどよめきが起き、 その横で2コースの山野選手が悔しそうな表情と真剣勝負でしか見れない一瞬でしたが、引退したスイマーが主のマスターズでも競泳の醍醐味と言わんばかり熱いレースが見れて本当に感謝しています。

これからもこんな熱いドラマが行われているマスチャンに私はもっと注目して行きたいです。
また、影響を受けて自分自身もあんな風に泳ぎたいなと思う今日この頃です。

第1話

アトランタオリンピック
男子1500m自由形決勝

ソープ・ハケット・フェルプスと現在のスーパースターを皆さんご存知だと思いますが、私のディスタンスヒーローは「キーレン・パーキンス」です。
今でこそ、1500mでも始めの100mを54秒などで入ってきますが昔はそんな事なかったと記憶しています。
そんなの時にパーキンスは今までの常識を覆す超高速レースを展開し、そして次々と世界記録を塗り替えていきました。

しかし、無敵を誇ったパーキンスもオリンピックでは中々勝てず、400m・1500mと圧勝と言われたバルセロナでは400mでサドフィにラスト50mでかわされまさかの2位しかも当時のパーキンスが 保持していた世界記録を塗り替えられての完敗。
そしてこのアトランタでは1500mのみでのエントリーで出場していた。

もうパーキンスの時代は終わったという人たちの声が多い中、予選のレースではその声が本当のような無残なレースでした。
世界記録保持者が1コース残りという状況、予選を流したとは到底いえない泳ぎで誰もがパーキンスの優勝はないと思っていたに違いないでしょう。
しかし、パーキンス自身も自分のコンディションの悪さはわかっていたでしょうが彼自身は優勝を本気で狙っていたのでしょう。

いざレースが始まり、いつも通りにパーキンスが恐れ知らずの飛び出しをみせるが、明らかに重い泳ぎで2位以下を離せない状況でレースは進み徐々にパーキンスのリードがなくなり 見るのもつらい展開になってきたのですが、しかしパーキンスは抜かれないので1000m過ぎ終盤になっても抜かれないのです。だが泳ぎ自体は往年の軽やかな泳ぎとは違い、なんというのか、パーキンスが気合と根性だけで命を削りながら泳いでいるようにも見えました。

私も祈る気持ちでパーキンスを応援しました。

「負けるな!頑張れ!あと少し・・・」

そしてラスト100mでリードを保ってきてましたが全く見ている方も安心できない状態で、他の選手が猛烈にスパートされると抜かれそうな匂いがプンプンですが、何とか1位でゴール。

ラスト50mを見てる時点で涙があふれ出てきました。
自分がどんな状態でも勝つことだけを考えて泳いでいたのでしょうか?

こんなすごいレースを見て、パーキンスが何を考え、どんな思いで優勝したのかは正直私の頭のレベルを超えていました。 本当の強さというものを感じたレースです。