学生時代、私の通っていた大学の1年生の初仕事は「花見の場所取り」でした。
同級生は全部で5人。地方出身は私だけ。後の4人は地元、大阪の人間でした。
慣れない関西弁のゴリ押しに負け、私1人で場所取りをすることになったのです。
ブルーシートと寝袋を持って花見会場へ到着したのが前日の午後10時。
さすがにこの時間は空いており、私は1番大きな桜の木の下にブルーシートを広げました。
集合時間は午前10時。時間はタップリあります。
幸い天気もよく、気温も暖かめ。すぐに眠くなり、うつらうつらと夢の中へ・・・・・。
どれくらいたったでしょう。気がつくと周りは賑やかです。
ふと、寝袋から出てみるとびっくり!!
知らない人達が私の広げたブルーシートの上で宴会をしているのです。
しかも、その人達をよく見ると、パンチパーマにサングラス、金のネックレス、派手なシャツ・・・・・。
(ヤ、ヤバイ!!)
ひとこと言おうものなら、生きて帰れる保障はありません。
しかしこのままだと先輩の雷は免れません。
私は勇気をふりしぼり、
「あの〜・・・・・」
と言った瞬間、
「ワレさっきからどこに寝とんのじゃ!なめとんのか!!」
「す、すみません!!!」
寝袋片手に一目散に逃げ出しました。
あとで先輩に怒鳴られましたが、生きて帰れたことにホッと胸をなでおろしました。
大学を卒業して十数年。卒業以来一度も大阪へは行っておりません・・・・・。
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