小学校4年生の春のことです。
とある地方大会で50m自由形に出場し、初めて決勝に進出することができたのです。
とても嬉しくてハシャいでいましたが、それまでの試合ではいつも予選落ちで午前中に家に帰っていた為、
決勝レースまでの長い時間のすごし方がわかりません。
そこで、他の選手のレースまでの過ごし方を観察することにしました。
ゲームをする人、ストレッチをする人、散歩に行く人、昼寝をする人、いろいろです。
私は、ゲームは持ってきていないし(午前中で帰る予定でした)ストレッチをする気もないし
(決勝に出場できるだけで満足でした)散歩に行くつもりもない(方向オンチです)ので昼寝をすることにしました。
とはいったものの、同じチームの他の選手は年上の人ばかり。
とても私の寝るスペースはありません。そこで観覧席で寝ることにしました。
ベンチを3つばかり占領し横になっていると、いつの間にかうつらうつら・・・・・。
ふと目が覚めプールに目をやると、誰も泳いでいません。
「あれ??もしかして・・・・・」
慌てて控え場所に戻ると、顔色を失ったコーチ達が必死で私を探していました。
とても大きなカミナリが落ちたことは言うまでもありません。
結局、私の人生初の決勝レースの結果は、「棄権」でした・・・・・。
|