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必死!! (水泳の裏話) NO.56
スイムボカンのトップに戻る 僕の大先輩の話です。


マスターズの試合に出場したときの話。

先輩は50m自由形に出場しました。

僕たちは2階席で応援していました。


「よ〜い・・・・バン!!」


一斉にスタート。先輩もなかなかいいスタートでした。

浮き上がり、僕らの応援も 「さぁ〜、行け〜」と言いたかったのですが、

先輩の泳ぎが変です。
手の入水が非常に顔に近いのです。

12.5mを過ぎてもそんな泳ぎです。

「あれ?もしかして・・・」

僕らの予想は当たってました。

ゴーグルが取れていたのです。

「あいた〜。やってもうてる〜」

しかし、想像を超える映像が飛び込んできました。


25mのターン。


先輩はタッチターン  その時です、

ガバァ〜と開けた口に ゴーグルがカポッときれいに収まっていました。


失礼ながらも僕たちは大爆笑!!


「あれは呼吸できへんで」

「首までもっていったらええのに」

「外せばいいやん」



帰ってきた先輩に

「お疲れ様でした」

でも、僕たちの顔がニヤケていたらしく、

「笑ってもええぞ」

それでも僕たちは我慢しながら

「なんで、首までもっていかなかったんですか?」

と、聞くと・・・一言

「必死やったんや」

その一言で、我慢が出来ませんでした。

「何年泳いでんねん!!」

しかし、先輩は本当に死ぬほど苦しかったらしく、途中で泳ぐの止めなかったことを褒めて欲しかったらしいです。

「えらいです!先輩!!」


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