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ひげじじいとその仲間達の物語 002
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そもそもおいらがそのひげじじいと出会ったのは、今をさる事28年まえ。

ひどく大昔のようですが、おいら、はじめて、その
ひげじじいと出会ったときのその衝撃
は、わすれることができません。

おいらは6歳の時、両親につれられて、よくわからないまま富士スポーツハイツという、スイミングスクールのスクールに申し込み、赤帽子のクロールから始めました。

夏休みのたびに海に遊びに行っていたおいらは、父親のまねごとから平泳ぎが得意で、はやくクロールと背泳ぎを合格して、平泳ぎの授業に行きたかったのですが、そのクロールの時のコーチが後のひげじじいの最初の奥さんで、25メートルを泳ぎきる事が合格ラインだったにもかかわらず、20メートルで立ってしまったおいらをむりくり合格させ、進級させてしまったのです。

そのわけは・・・・
当時はまだ出会ったことのないそのひげじじいが2階のガラス窓からずっと見ていて、おいらを進級させるように指示したらしいのです。
なんでも、選手クラスのコーチでもあり、支配人でもあったひげじじい。
選手クラスの頭数が少ないので、適当に運動神経の発達(中枢神経からの伝達??)しているガキンチョを適当に見つけてはさっさと進級させていたらしいのです。
おいらは大好きな平泳ぎのクラスを飛ばされて・・・。育成クラスもほどほどに・・・。

ある時の事。

「おい!○○○○!おまえ〜・・明日から選手クラスだかんな!」

「・・・・・・・だ・・だ〜れ〜・・・?」

「先生か?先生はなあ〜〜〜〜・・・」

その後の会話はまったく記憶しておりません。
ひげじじいはとっても恐ろしい顔で、きっとその時のおいらの表情といったら、深海魚が吊り上げられた時のあの目の玉状態だったことでしょう。
顔中なが〜い無精ひげに覆われて、見えているのはギョロっとひんむいた目がやけに大きく、鼻毛丸見えのおいらを頭から吸い込みそうなデカ鼻・・・。
そして、ひく〜〜〜い声で、
「おう!」 っていわれても・・・・。

わたくしが最初にこの話をしたのはひげじじいを知っているすべての人が、きっと似たような初対面の感想をお持ちだと思うからです。 ね!そうでしょう?
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