ソープ・ハケット・フェルプスと現在のスーパースターを皆さんご存知だと思いますが、私のディスタンスヒーローは「キーレン・パーキンス」です。
今でこそ、1500mでも始めの100mを54秒などで入ってきますが昔はそんな事なかったと記憶しています。
そんなの時にパーキンスは今までの常識を覆す超高速レースを展開し、そして次々と世界記録を塗り替えていきました。
しかし、無敵を誇ったパーキンスもオリンピックでは中々勝てず、400m・1500mと圧勝と言われたバルセロナでは400mでサドフィにラスト50mでかわされまさかの2位しかも当時のパーキンスが 保持していた世界記録を塗り替えられての完敗。
そしてこのアトランタでは1500mのみでのエントリーで出場していた。
もうパーキンスの時代は終わったという人たちの声が多い中、予選のレースではその声が本当のような無残なレースでした。
世界記録保持者が1コース残りという状況、予選を流したとは到底いえない泳ぎで誰もがパーキンスの優勝はないと思っていたに違いないでしょう。
しかし、パーキンス自身も自分のコンディションの悪さはわかっていたでしょうが彼自身は優勝を本気で狙っていたのでしょう。
いざレースが始まり、いつも通りにパーキンスが恐れ知らずの飛び出しをみせるが、明らかに重い泳ぎで2位以下を離せない状況でレースは進み徐々にパーキンスのリードがなくなり 見るのもつらい展開になってきたのですが、しかしパーキンスは抜かれないので1000m過ぎ終盤になっても抜かれないのです。だが泳ぎ自体は往年の軽やかな泳ぎとは違い、なんというのか、パーキンスが気合と根性だけで命を削りながら泳いでいるようにも見えました。
私も祈る気持ちでパーキンスを応援しました。
「負けるな!頑張れ!あと少し・・・」
そしてラスト100mでリードを保ってきてましたが全く見ている方も安心できない状態で、他の選手が猛烈にスパートされると抜かれそうな匂いがプンプンですが、何とか1位でゴール。
ラスト50mを見てる時点で涙があふれ出てきました。
自分がどんな状態でも勝つことだけを考えて泳いでいたのでしょうか?
こんなすごいレースを見て、パーキンスが何を考え、どんな思いで優勝したのかは正直私の頭のレベルを超えていました。 本当の強さというものを感じたレースです。 |